第24話 重力と転移の『根源共鳴』
24話ー① 『クロスコネクト』
『
ガリブとゼレスは根源共鳴を成功させ、驚異的な実力を見せつけた。
この短期間での成長は目覚ましいものだ。
今や以前の呪術師程度に、後れを取ることはないだろう。
共鳴した二人は、猛烈な勢いで敵を減らしていた。
「よっしゼレス!!あれをやるぞ!!」
「任せな!!まっ!!あたしら2〜3分しか持たないけどね~。」
どうやら根源共鳴を身につけてから、まだ日は浅いらしい。
僕らは一時間以上維持できるからだ。
そしてルシアとエリーから通信神術で連絡が来る。
「ルーク!今のって根源共鳴?なら私とエリーは合流してバックアップに入るわ!」
「ありがとうルシア!話が早くて助かる!」
「うらやま。」
む、虚しい......
片割れはおろか、恋人さえいないエリーが言うと悲壮感が尋常じゃない......
今はそんな場合ではないが、兄として心配だ。
しかし、今は目の前の戦いに集中しよう。
「よし!ルシアは二人に更なる身体強化神術を!!」
「分かったわ!」
「エリーは............H3.」
「......おけ。3ね。」
たった数十秒......既に半分以上の魔物が、ガリブとベレスによって倒されていた。
しかし、数が減ったために、他の場所から魔物が流れ込んでくる。
「おっしゃぁぁぁ!いくぜベレス!金剛加重!!」
「任せな!転送刃門!!!」
何だ?天武じゃないのか?根源共鳴をするものは全員天武だと思っていたのだが......
どうやら人により個人差があるようだ。
あと前々から思ってたが、この2人いくぞと任せなが口癖だよな......
「おらおらおら!!切り刻めぇ!!!皆殺しにしてやるぜ!!」
「こいつらの肉、食っても美味くないのが玉に瑕よな~!」
しかし2人の力は恐ろしい程に強力だった。
二人の共鳴時の奥義は極めてシンプルだ。
刃を振るった場所に敵を自動で転移させるというもの。
つまり適当に剣を振るだけでも、敵に攻撃を当てることができる。
さらに、転移させる魔物の向きや、微妙な距離感は全て調整ができるようだ。
これは対一の戦いでも極めて強力な切り札となるだろう。
「ははははは!!こりゃいいぜ!!切りつけたい時に!切りつけたい場所に!切りつけていい敵がいるんだからな!!」
「やっぱこの肉を裂く感覚はたまらんわな~!あたしらは!」
ヤバすぎんだろ......
顔が......いや目が完全にイッちまってる。
もはや快楽戦闘マシーンと化した二人は、物凄い速度で魔物の軍勢を薙ぎ倒していた。
突然群れに穴が空いたので、周囲の魔物がなだれ込んできたが......
二人はそれが間に合わないほどのペースで、敵を惨殺していく。
僕らは2人をバックアップするべく、遠距離での魔法砲撃や更なる身体強化などをかけていた。
「あの2人って戦闘狂よね?」
「脳筋バーサーカー?強化するなら知力も強化しろよな......」
ベレスとガリブは、みるみる敵を減らしていく。
遂には担当する区域の魔物を、ほぼ全て殲滅してしまった。
相も変わらず二人は、根源共鳴時でも遠距離魔法はほとんど使わないみたいだ。
ゴリッゴリの近接特化。
もう遠距離攻撃の概念がない時代から、転移してきたとしか思えない。
そうして2分弱の時間が過ぎた。
「くそ、そろそろ限界か。」
「仕方ねぇ戻るっきゃない。持続がベリーベリーショートなのが難点だな!今後の課題っしょ。」
2人は元の状態へと戻った。
練度の問題もあり、持続時間が短かすぎる。
実用段階とは言えないが、担当エリアの魔物は全滅した。
精神的にかなり疲労している状態だが......
肉体の反動が来るのは、1日程度後なので問題ない!多分!!
他の区域の救援にいかなくてはマズい。
オタオタしているとまた、僕らの担当区域に魔物が流れ込んでくるだろう。
「ガリブ!ベレス!疲れてる所悪いが次だ!」
「ったく。人使いが荒いぜ.......」
「お前神だろ。」
「ルーク......流石にウザいわよ......」
「......よし!!皆行こう!!」
......結構ダメージを受けた僕であった......
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