13話ー➄ ルーク先生......私、先生のこと......
私の名前はステア。一応前期の成績は、総合1位だった超優秀な学生だ。
今日はルーク先生という、少し変わった先生の講義を受けている。
ルーク先生は知識が豊富で、どんなに難解な疑問にも即座に答えてくれる。
他の先生が答えられないような、専門的な質問にも対応できるその姿に、私は毎回驚かされる。
先生は基礎的な内容を教えることが多いけれど、その中には新しい発見がたくさんあり、私は常に新たな知識を得ることができる。
そのため、私はルーク先生の授業は一度も欠かさず受け続けているのだ。
他にも理由はあるけれども......
「先生ー。最近奥さんとはどう?ラブラブ〜?」
「毎回聞くなそれ……ラブラブやってるよ。大きな喧嘩もなくね。」
「今度会わせてよ~。先生の奥さんとお話したーい。」
「いや何でだよ?会ってどうすんのさ......てか授業に戻るよ。」
ルーク先生は私の初恋だった。
知識豊富で戦闘も強く、更にはユーモアのセンスも抜群。
そして顔もドタイプのイケメン......
「先生好きー!この仕事辞めないでね!」
「今の所やめる予定はないけども……誤解を産むからそういう発言は控えよう。僕が気まずい!」
心の中で、私は彼の言葉に少し寂しさを感じた。
既婚者に恋をしても無意味だと分かっている。それでも彼の存在は特別だった。
先生の講義を受けるたびに、その魅力に引き込まれていく自分がいた。
だけど、彼の立場や気持ちを考えると......
これ以上の想いを抱くことはできなかった。
しかもルーク先生はただの既婚者じゃない……片割れ持ちの既婚者なのだ。
先生はその事実を隠しているけれど、私は知っている。
実は一度だけ先生の奥さんを目にしたことがある。
彼女は圧倒的な美しさと存在感を持ち、女として絶対に勝てないと思ってしまった。
私の誰にも言えない初恋はそこで終わった。
でも、その気持ちは完全には消え去らず、今でもこうして先生の講義に足を運んでは、先生と奥さんの事について気になって聞いてしまう。
「パパとママが褒めてたよー?ルーク先生の才能は天界でもずば抜けてるって!パパは本気を出せばもっと強いとか言ってた。」
「あはは……最上位神にお褒めの言葉を頂けるなんて、嬉しい限りだね……」
今日は隣にいる鶏頭と私しかいない。先生と色々お話できるチャンスなのだ。
そしてその後も原素エーテルの話に逸れ続け。
講義の終わりの時間になってしまった。
「先生。今日の講義内容一個しか触れずに授業終わってね?」
余計な事言うな鶏頭……
「もういいわ。はい!最後に本題まとめます。」
「あ。先生ヤケクソだ。」
可愛い......
「魔力を制御する力と、操作する力を鍛えて魔力をより強固に練る事ができると、原素エーテルが濃い危険地帯でもある程度魔法が使えます! 以上!終わり!!」
先生は適当に挨拶し、教室を後にした。
私はその背中を見送りながら、胸の中に複雑な感情が湧き上がるのを感じた。
最近のルーク先生は忙しそうで、ほとんど不定期講義を開講しない。
定期講義さえ、前回は代理の講師が務めていた。
だからこそ、今回ルーク先生の不定期講義の告知を見たとき、何をおいても出席しようと決意したのだ。
先生は謎に包まれている。
どこに住んでいるのかも、普段何をしているのかもよく分からない。
冒険者としての活動も、機密度の高い任務ばかり受けているのか......
彼の活躍の噂は一向に耳に入らない。
それでも先生の講義を受けるたびに、ほんの少しだけその謎が解けるような気がしていた。
そしてその度に、先生の魅力にますます沼っていく自分がいた。
「先生......やめないでね......」
私は一人になった教室で呟くのだった。
地獄のような空気の授業はついに終焉を迎えた。
僕は研究室にも残らず、速攻で領地に帰る事にした。
「このままここに居たら、ステアが質問に来かねない......僕は既婚者なんだ。勘弁してくれ。」
僕は鈍感ではない。
彼女が少なからず僕に恋心を抱いている事には、とうに気づいている。
しかし僕は片割れ持ちの既婚者だ。
彼女の気持ちには答えられないし何より......めんどくせぇぇぇ。
「帰ろ......ルシアに慰めてもらお......」
そして授業終盤を振り返りながら呟いた。
「あれ。もう講義じゃなくてミーティングじゃん......」
仕事続けるか本気で検討した1日であった。
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どうもこんにちわ。G.なぎさです!
かなり修正を加えました!!
今回は極めて難解内容だったと思います。
ステアはルークにゾッコンでしたね!!
ちなみにステアの母親はとある人の娘だったりします。
ステアの母は、この世界の核心にかなり近い人物だと思います。
性格はステアよりお転婆で、落ち着きがないですが......
ちなみに、僕はガチで教員免許持ってます~。
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