37話ー③ 打倒!最愛の嫁!!






 僕たち4人は食事を終え午後の訓練に入った。

 午後の訓練は僕とルシアをメインにしたもので、内容は非常にシンプルだ。



「よし、やるか!根源共鳴をひたすら維持し続けるから何かあればみんな頼む。」



 根源共鳴を維持し続けた状態で、午前中と同じく実践訓練をするのだ。

 しかし油断は禁物だ。根源共鳴の反動が来ている最中に襲撃される可能性だってある。


 その間守ってくれる人が必要なのだ。

 また可能性は限りなく低いが、新しい技や試みをする際に不足の事態があるかもしれない。



「おう!ドーンと任しとけ!」


「ルシアっち達は私らが守るっしょ!」


「おにぃ、おねぇ。ガンバ。」



 何とも頼もしい限りだ。

 脳筋はさて置いて……エリーはかなり色々準備してくれているようで、結果内には山のような物資が運び込まれているらしい。



「ルシア。『根源共鳴』の詠唱省略を練習しよう。」


「分かった……成功確率を100%にしないとだもんね……だものね。」



 いや、言い直さんくていいわ。

 どうやら先程僕とエリーに与えられた『羞恥』のダメージで若干口調が素に戻っているらしい。


 ちなみに神族は0.01秒単位で殺し合う。

 詠唱に30秒近くかかっては、実用性が高いとは言えない。


 実際、詠唱省略はザラームの時成功している。

 しかし実は成功確率は100%ではなく、土壇場で僕達が幸運を引き当てただけなのだ。



「「根源共鳴!」」



 眩い光を放ち、再び輝く繭に包まれる。


 そして全身から光の粒子が湧き上がり、瞳も緑と紫のオッドアイになる。



「それがお前らの根源共鳴……か。」


「ちょ待っ……あたしらのより全然強いっしょ!?それ本当に根源共鳴?」



 ガリブとベレスは不思議そうな顔でこちらを見つめてきた。



「え?根源共鳴じゃないのこれ?」


「もしかして私達……根源共鳴習得できてない?」



 いや流石にそれは無いだろ……と心の中でツッコミを入れた。

 すると、何やらモニターを叩いているエリーが口を開く。



「詳細。調べた。おにぃとおねぇの共鳴。特別なのかも?」



 どうやら根源共鳴ではあるらしい。

 しかし特別か……超嬉しいな。優越感ハンパないのだが??顔のニヤけが止まらない!!



「とりあえず時間が勿体ない。訓練に移ろう。全員結界内に移ろう。」



 そうして僕らは結界内へと移動した。






 静寂の空気が流れる。


 今僕はルシアと向かい合っている。


 久しぶりに本気でルシアと手合わせをするからだ。


 この結界内は模擬戦と同じように仮想空間だ。つまり本気での戦いで訓練する事ができる。


 エリーの要望により結界の中は夜に設定してある。


 暗光天武と輝光天武は消耗が激しいので今回は使わない。



「……」



 お互いに動かず、静寂の時間が続く……



「瞬光……」



 永遠のようにさえ感じる静寂を、先に壊したのは僕だった。



「速っ!?」



 ルシアはその直進速度に驚いている。

 しかしこれは89%の確率で演技だ。


 恐らくこれは虚実……視線の動きが若干だが下方向に寄っている。

 となると……恐らく罠を仕掛けてあるのは上、及び上下両方だろう。


 僕はそう感じた為、光子エーテルを噴射し、急激な方向転換で右に回り込んだ。



「ルーク。甘いわよ。」


「なっ!?」



 回り込んだ右側には、薄い粘着質の膜のようなものが貼られていた。

 薄いが強度は極めて高く、体の機能を麻痺させる電撃まで付与されている。



「ちなみに上下には罠はないわ。」


「読み切られてたかぁ……」



 と話してる内に……ルシアはすかさず距離を取ってオリジナル魔法で集中砲火を仕掛けてくる。



「そのまま負けなさい。」


「嫌だね!!」



 僕は体の周りに纏っている光子エーテルを衝撃波に変換して放出し、拘束を外した。


 しかしルシアの遠距離魔法は既に眼前まで迫っている。

 弾幕というより、もはや壁のようだ。



「拘束を解くところまで織り込み済みかぁ……」


「何年一緒にいると思ってるの?」



 僕は攻撃を捌きつつ接近しようと試みるが、中々接近を許してくれない。

 お互いオールラウンダーではあるのだが……実は遠距離での刺し合いは、ルシアの方に少し分がある。



「くっそ。計算され尽くされてるな。初めに様子見で頭使わなかったのがマズかったな……」


「私相手だと絶対最初からスイッチは入らない。そこを利用させて貰ったの。」


「そりゃ嫁だもん……気を抜くわ。」


「とにかく近づかせないわ。このまま押し切るわよ。」


「……それは接近されたら危ないって事かな?」



 このまま遠距離に徹されれば僕の方はジリ貧……

 こちらが押し切られて敗北する。


 とルシアは思っているのだろう。


 しかしそこに付入る隙がある。僕をよく知っているが故の盲点というものがある。

 なぜなら、絶対にこちらがしないであろう戦法を除外して作戦を組み立てているからだ。



「ルシア。刀って知ってる?」


「動揺させるつもり?しないわよ精神保護の術を掛けてるから。」


「刀は引いて切るものらしいよ?」


「は?」



 彼女はその後、僕の行動を見て……動揺どころか驚愕するのだった。










☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★


 どうもこんにちわ。G.なぎさです!

 37話ー③をここまで読んでくださりありがとうございます!


 まさかのルークが読み負ける展開からスタート!?

 ルークが明らかにテキトーだったという説もありますが……


 そして精神保護を掛けたルシアが驚愕したルークの行動とは??


 もし面白い、続きが気になる!と思った方は【♡応援】や【星レビュー】をしてくれると.....超嬉しいです!!


 何かあればお気軽にコメントを!


 更新は明日の『『22時過ぎ』』です!


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る