第22話 緊急謁見?神々の長『全神王』

22話ー① この扉はぁ......やべぇ扉だわ







 僕が1晩中ルシアを犯し続けた。

なのでルシアは丸一日寝たきりで、起きたのは次の日の朝だった。


 ルシアは行為が終わった後ほぼ確実に寝る。



「おはようルシア。」


「ルークゥ。おはょぉ。またねんねした?」



 そして知っての通り、行為後の起床は、幼児退行ルシアが見られるのだ。



「寝ちゃったね。まだ寝る?」


「やや。寝ないぃ......眠くないもん!」



 といいつつ枕を抱きしめている。

 本当は眠いのだろう。



「もう朝だよ。休みで良かったね。朝食頼んどいたから食べようか。」


「食べる!抱っこしてぇ!うへへ大好きぃ!」



 あー尊いわ。


 僕はルシアを抱っこして、朝食の席に座らせた。

 その後。僕の腕の中で、ルシアがモゾモゾと食事をし始めた。




 :少し後:


 食事をしてしばらくして、幼児退行が解けてきたのか、ルシア正気に戻っていた。



「またやったわ.....私。」


「いいじゃん。可愛かったから。個性だよ個性。」


「せめて寝起きの記憶は全然ないとか......そういう都合のいい脳が欲しかった!!」


「それは残念だったね。」



 ルシアは寝起きの記憶を忘れるタイプではない。

 黒歴史はその度に増えるのだ。



「ぁぁぁぁもぅ。何であんな恥ずかしい事を。しかも昨日は外だったから……いつもより……」


「野外だと、いつもより興奮するのかな?見られてる気がする的な?」


「ちょ!?そんな事言ってないわよ!恥ずかしかったってだけよ!」


「へぇ?違うの?」


「ッ......」



 どうやら図星のようだ。

 前々から思ってたが、うちの嫁ドMじゃね???



「で?興奮したの?してないの?」


「ぁぅ......した......」



 何だこの可愛い生き物......

 よし!もう一回襲ってやろう。




 そう思った瞬間......


 そんな余韻に浸る暇もなく、推薦クエストについての連絡が来た。



「あー。これは今日の休みは潰れたね。ルシア。お昼からギルドに行くよ。」


「わ、分かった......」



 良いところで!!ソロモンのクソ野郎絶対許さん!!!!

 僕はそんな理不尽すぎる怒りを胸に、ギルドに向かった。






 :ギルドに到着直後:



「よっ!ルーク!!」



 久々ギルドに足を運んで、速攻でガリブと再会した。



「久しぶり。呪術師の時以来だね。何やってたのさ今まで......」


「あぁ?言ったじゃねぇか。呪術師狩りだよ。悪さしてる呪術師の討伐依頼を、94もこなしたんだぜ!」



 九十四!?


 こいつら......

 家にも帰らずに野宿しながら、ひたすら呪術師狩ってたのかよ!?



「よくやるよホントに......家に帰りたいとか思わないわけ?」


「おー?ベレス帰りたかったりしたか?」


「あー?アタシ?いや別に全然?」



 これは『脳筋』というカテゴリーに分類していいレベルなのか?

 何という事だ。これは脳筋というより未開の原人......


 ほとんど野生の獣じゃないか......

 よし!今度、博物館か動物園に連絡しよう!!



 するとルシアが口を開き、ベレスとガリブに問いかけた。



「それで2人とも? 今日は何で来たのかしら?」


「お前ら知らねぇのかよ?スタンピードだよ! んで人数を集めてんだとよ!金払いがいいから応募したぜ!!」



 スタンピードか。

 ある程度の実力がある冒険者が、一定数集まれば十分に対処できる。


 僕らは冒険者以外にも収入源がある。

 それもあり応募がかかってもあまり応募しない。


 しかしこの2人は冒険者1本で生活しているのだ。当然報酬のいい仕事には敏い。



 ちなみにルシアとベレスは隣で女子会?をしている。

 いけない、いけない。これは入ってはいけない女の聖域だ。


 そう思ったため、僕は原始人の雄の問いに返答した。



「久々に会ったしね。僕らもできたら参加するよ。その時は派手にやろうな!」


「おうよ!応募締切は明日だ。待ってんぜー!」


「おっけー。」



 そうして僕らは、推薦されたクエストの説明を聞くため、ギルドの応接間へと移動した。






 :移動した後:



 のだが.......明らかにいつもと違う。


 そもそも移動してきた先が、ギルドの応接間にはとても見えない。

 その扉は荘厳で、より重厚感があり美しい。


 嫌な予感しかしない。もしかすると……



「ル、ルークまさかここは……」


「僕......また何かやらかしたっけ??」


「え、また??初めてじゃないの?」


「......はい!深呼吸 深呼吸。」



 いや。特に今回はやらかした記憶は無い。

 多分大丈夫だ。



「え?ちょ!?何知ってるの?」


「さーて!入ろうか!!」


「ルーク!?知ってるなら教えてよ!」



 ルシアの訴えを完璧に無視し、僕は作法にならい部屋に入室した。



「よく来たなルーク。気にせず座れ、私が許可をする。」



 そこには青色のショートヘアに、荘厳な羽織と服装を着た女性が立っていた。



「お久しぶりです。本日はどのようなご要件で?これは公的なものではないのでしょう?」


「ルーク……この女性の方は……」



 不安そうに、僕に訪ねてくるルシアが可愛い。

 まるで今にも、ストレスで死にそうな顔をしている。


 地位によっては、先に名乗るのが無礼に当たる場合もあるからだ。



「そうか。すまないな。そちらは初対面か。自己紹介をしよう。

 私は4代目全神王 ゼレス・サーラント。ルークから話は聞いているよ、ルシア。」


僕達は唐突にも、神界の頂点に謁見することとなった。

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