33話ー② 意味不明すぎる頂点存在
「何故頂点存在と呼ばれるほどの人が、天上神界を作ったのですか?」
「多分気分だと思うよ?」
「え?」
「生命体の世界を統一して、遊んでみたかったんじゃないかな?あと私の為もあったのかも?文明が発達して生き物が栄えれば私が喜ぶから......」
気分……僕らからすると偉業でも、頂点存在からすればまるで片手間の暇つぶし......
「では、初代全神王の座を退位したのも、飽きたからという事なのでしょうか……」
「それは違うの……私が弱りすぎちゃって……この生命力溢れる世界じゃないともう……生きられなくって。それで私の為に退位したの。」
「愛されているのですね……」
「愛って感情をあの人が持ってるかは本当の所は分からないの......でも私は愛されてるって感じてるよ。もちろん私は愛してる……心の底から……」
その言い方は暖かく、どこか儚げだった。
ただその膨大な『愛』だけは生命の根幹を通って強烈に伝わってきた。
しかし分からない。どれだけ話を聞いても初代全神王の人物像が出来上がらない。
ここまで話を聞いていても、どんな性格をしているのかが全く見えてこないのだ。
「一つよろしいでしょうか?それほどの力を持ってしても……ヴァラルを倒すことができなかったのですか?」
「ごめんね......」
「え?」
とてつもない謝罪が伝わってくる……
それはもはや呪いにも近いほどの感情。その
短く簡潔な一言の声には……
無力さ、不甲斐なさ、罪悪感、自己嫌悪、全ての悲しみと罪の意識が詰まっている。
「彼はね、ヴァラルを玩具くらいにしか認識してないの......それにあの人の見たいものを叶えられる可能性があるらしくて、毎回遊んでは見逃してを繰り返してる......もちろん私は納得してない。」
......言葉も出ない。だが1つ確信したことがある。
初代全神王は善でも悪でもない。
恐らくそういった中に納まる存在ではないのだ。
辛うじて善の方向に傾いているのは、ミリティア様が善だからというだけなのだろう。
待てよ?今初代全紙王はどこにいる?
何故ここにいない?前にも言っていた、今ナイト様はいないと……
「失礼ですが、今初代様はどこに?」
「う〜難しぃ。彼はどこにでも居るし、どこにもいないから……いくつか肉の体を使って遊んでくるって言ってた場所はあるけど……今幾つの肉体で活動してるか、私も正確には分からないの……」
「……言っていた場所とは?」
「えーとね。まず末端軸の地球歴2050年〜2054年の地球。あとこの軸の55万年後のファラモス星、あとまた違う軸のラミラートっていう都市。他にも聞いたけど……ひとまずこの辺かなぁ?」
「あ、ありがとう……ございます。」
聞く限り……過去未来現在はおろか、次元の隔たりさえものともしていない。
そして時間、時空に縛られていないのなら、彼は現在進行形で天上神界を統一し、退位もしている事になる……
恐らく、彼は自身を今ミリティアさんがいる次元、時間、場所に無理やり自身を固定しているのだ。
そしてそこを、自分が存在している場所だと位置づけているだけなのだろう。
「ねーねー。そろそろ3ヶ月経っちゃうよ?次の質問で最後かも。ちょっと時間の流れが他と違ってね……あの人の気分で遅くなったり早くなったりするの。」
「最後!?では……あの時ヴァラルには気を付けろと言った言葉の意味を教えてください。」
「ヴァラルは常に想像より最悪の事態を引き起こすの。もしかするともう神界に入り込まれてるかもしれない……何か大きな計画を始めてるかもしれない……とにかく気をつけて……あなた達2人は特別だから。」
「特別?」
何か意味がありそうな言葉だが……
今回奇跡的に助かるのさえも偶然ではないのか?
「あと私とあの人の娘に会ったらよろしくね?まだ息子には会わないと思うから」
「え?娘?」
待て待て待て待て待て!!!初代全神王と全生命の母の娘?
頂点存在は子も成せるのか!?そんな馬鹿な!?
いくら矛盾を超越していたとしても、そんな事が可能なのか!?どうやって!?
「あっ。時間だー!またね!また会えるよ〜。」
「あの!?たった今聞きたい事ができ……」
目が覚めると自宅のベットに寝ていた。てっきり知らない天井が目に入るものとばかり思っていたのだが……
……とにかく僕は助かった。これでチャンスをものにした。
勝った……リスクのある賭けに!!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★
どうもこんにちわ。G.なぎさです!
33話ー②をここまで読んでくださりありがとうございます!
あまりにも桁が違いすぎる初代全神王??
そして生命の起源にも理解できない、その存在?とは??
そして初代全神王の肉体の1つが座している、『末端軸2050〜2054年の地球』とは?
もし面白い、続きが気になる!と思った方は【♡応援】や【星レビュー】をしてくれると.....超嬉しいです!!
何かあればお気軽にコメントを!
更新は明日の『『22時過ぎ』』です!
明日も更新できるか分かりません可能な限り更新します!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます