41話ー➁ 瞬く光の『連携奥義』





「ルシア。頼むよ。」


「任せなさい。彼は私が止める。」



 光の剣を後方に構える。

 体全体に薄く光を纏わせ集中する。



「ふぅ……」



 何よりも速く、鋭く、全てを研ぎ澄ます。

 体中の光子エーテルを増幅させ、心臓部にある核に圧縮させる。


 後はルシアを信じればいい。そして先にルシアが唱える。



「共鳴戦技・輝光の天縛......」


「なに?拘束か!?」



 それは光の柱。

 光柱の中に1度囚われてしまえば、指ひとつ動かす事も難しい絶対拘束奥義だ。


 敵の必殺技なんて、わざわざ発動させてたまるか!!



「動け……ねぇ……」



 ただの拘束では無い。

 拘束した対象が抜け出そうと力を使えば使うほど、拘束力も比例して大きくなる。


 たとえ何もしなくとも、相手の魔力を勝手に吸い取って拘束力を増す。

 そして拘束した剣殺に僕は......



「共鳴戦技・光芒一閃!!」



 核に集めた光の魔力を一瞬で全身の魔力回路に流す。

 敵に合わせて拘束力を増す脱出困難な拘束と、視認さえ不可能な絶対不可避の2連撃。



【連携奥義・極光斬撃】



 剣殺には心臓部の核を中心に2連撃を叩き込んだ。

 もちろんギリギリ死なないように威力は抑えたが、戦闘は絶対不可能の瀕死の傷を負ったはずだ。


 元々この奥義は害厄王のザラームリベンジ用に作った連携奥義なのだ。

 いくら最上位神とはいえ、剣殺程度が防げる道理などない。



「上手くいったねルシア。」


「そうね。実践で使うのは初めてだったから少し不安だったわ。光子エーテルもまだ残ってるから更に強力にもできるわね。それより......早くしないと彼死ぬわよ?」


「そうだね忘れてた。」



 振り向いた僕らが目にしたのは、信じられない光景だった。



「おぃ。ま……だだ。」



 常識的に考えればありえない。

 精神力でどうこうなるレベルの怪我では無い。


 そもそも肋骨の1部、更に立つために必要な筋肉が損傷している。

 にも関わらず剣殺は立っている。



「ははははははは!!!おや……じ。こいつぁ……そうか……」



 溢れ出す強大な魔力は鬼門によるものだろう。

 瀕死の状態で攻撃力はありえないほど膨れ上がっている。


 防ぐ事はリスクが大きい。

 かと言って乱撃として、振り回されでもしたら余波でも驚異だ。



「ルーク。あの攻撃は私が全力で止めて見せる。絶対に2発目以降は放たせないわ。私は瀕死になる......だから次こそ仕留めて。」



「......じゃー頼む。頼りにしてる。」



 2人が重症を負うより、片方を瀕死にしてでも確実に仕留める。



「体裁を気にして手加減した僕がバカだった……もういい。」


「ゾワッ……ル、ルーク?」


「......殺す......」



 体中が殺意に満ち溢れる。

 感情が黒く塗り潰される。久しぶりの感覚だ。


 だが悪い気はしない。

 ひたすらに心が冷たくなっていくのを感じる。



 何故だか懐かしささえ感じる。





「死ね!!!!おおおぉぉああああああ!!!」



 剣殺は既に変体も解除されている。

 しかし振り下ろされる心象装備はこれまでの攻撃の中で最大威力。



「魔力回路が破壊されようとも……ここで止めさせてもらうわ!!!」



 神術創造グラティスの多重展開と、根源共鳴で得た天武の能力を限界を無視して行使する。



 体の回路が悲鳴を上げている。


 体中から弾けるように血液が流れ出る。


 体の骨が砕け始める感覚を鮮明に感じる。



「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!『七重閃光遮断壁』」



 私は七枚の光の障壁を展開し、迫り狂う最悪の一撃を迎え撃つ。









 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★


 どうもこんにちわ。G.なぎさです!

 41話ー➁をここまで読んでくださりありがとうございます!


 勝った.....そう思ったのも束の間、剣殺の最大級の一撃がやってくる?

 瀕死の重傷により限界まで高まった剣殺の一撃!!


 そしてルークが見せた「冷たい殺戮者の殺意」

 意外な決着を迎える第41話ー➂(最終)を是非ご覧ください!!



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 更新は明日の『『22時過ぎ』』です!


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