43話ー➁ 妹のマジ惚れ!?
「ぅ……どーして、分かった?……」
「「!?!?」」
見たこともないエリーの照れ顔に、僕とルシアは二人して驚愕した。
まるで体中に電流が走るような衝撃が襲い、数秒間、時が止まったように感じた。
「ち、ちなみにどんな人なのかしら?そのうち家族になるかもだし……馴れ初めも気になるわ! 色々教えて?」
「ん……パーティで会った、話した。楽しかった。デート誘われた。だから明日デートする。」
園児の遠足の感想文かよ!?なんだその淡白な回想と説明は!?
エリー、以前に怪しい人物に誘拐されかけたこともあった。
彼女の人を見る目は正直、壊滅的だ。
お金や命が絡まない限り、いつも判断が甘い。
エリーは稼ぐ天才だが、それ以外の審美眼には欠けている。
「でも、エリーもお試しデートって感じなんだろ? そのまま結婚とかは……いつも失敗するし……」
「今回……失敗……したくない。ぅぅ結婚……したい。」
な、何だって!?今までと反応が明らかに違う……
これは、本気の恋なのか?
妹がメスの顔を見せるなんて……初めてだ……
「頑張れよ!」
「エリーちゃんは可愛いんだから、き、き、緊張し過ぎないようにね。」
「んっ。沢山……頑張る。おにぃ達にも。いつか……ね。」
これは完全に落ちてるな。フォーリンラブ~。
どんな相手か分からないけど、これはもう恋に夢中になっている。
顔を赤らめて、誰かを想いふける妹の姿……複雑すぎる。
「エリーちゃん?今度はどこで会うの? 良かったら、今から惑星の雰囲気に合わせて服でも買いに行かない?」
「行く……えと。第7惑星、エッセテリオス。」
神界では惑星ごとに文化や文明がまったく異なる。
その惑星の文化に合わせた服を着ること......
それはおしゃれというだけでなく、多文化理解や尊重の意識を示す重要な意味を持っている。
「じゃ、行きましょうか。記念だし私が買うわよ。ルークは、これから来る筋肉夫妻の相手をよろしくね。」
「え!? 僕が留守番なの!?」
結局、その後脳筋バカップルは現れなかった。どうせ飲んでいるのだろう。
酒代だけあとで請求してくるつもりなのか……クソが。
悶々としたまま、僕は一人で鍛錬に励むこととなった。
――その日の夜――
ルシアが帰宅した。
彼女の表情を見ただけで、言いたいことが伝わった。
「その顔は……尾行だね。」
「当然よ。また変な男だったら、今度こそ叩き斬ってやるわ。」 ※全く懲りていない
尾行をするために、着けたばかりの加重スーツを脱ぐことになった。
もし見つかったら、全神王の選挙に傷がつく?
いや、そんなことで見つかる程度では全神王なんて務まらないはずだ。
そんな意味不明な謎理論で、僕たちは尾行の準備を始めた。
――次の日、尾行目的地――
僕らは2度目の尾行を開始した。
その場所は『第7惑星 エッセテリオス』の首都ノリティアリスだ。
中世ヨーロッパのような街並みに近いが、第5惑星などに比べて道が入り組んでいる。
至る所に魔道具や魔道郵便などが飛び交っている。
天空には巨大な魔道飛行船や空中庭園が浮かび、この惑星の高度な航空技術が伺える。
場所によっては建物が動いたり道が組み変わったり、様々な仕掛けが施されているらしい。
「この街……尾行しにくいな。どこにどんな仕掛けがあるかも分からないし……」
「仕方ないわ。気配や姿、匂いなんかの個人情報を絶えず変化させつつ、ある程度は物理的に尾行するしかないわね。」
「腕が鳴るね! そういうのは得意だよ。エリーが気づきにくいやり方も分かってるしね!」
「どんな環境で生きてきたのよ……まぁいいわ。ルークのやり方に合わせるわ。」
今回は、エリーの食事に超小型のGPSを仕込んでおいた。
この街では、以前尾行した第10惑星と違って、虫の生息数は極めて少ない。
後を追うハエが複数いれば、隠蔽していてもエリーは気づいてしまう可能性がある。
そうこうしているうちに、エリーと接触する人影が見えた。
「……エリーと同じくらいの身長?」
「!? ルーク!!間違いないわ。」
ルシアの声が高ぶっている。何か心当たりでもあるのか?
「ルシア? 心当たりでも?」
「間違いないわ……あれは……ショタよ。完璧なるショタ!!」
「は??」
こうして、訳の分からない発言を皮切りに......
僕たちの特殊任務「すとーかー改」が始まった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★
どうもこんにちわ。G.なぎさです!
ここまで読んでくださりありがとうございます!
ちなみにルシアはショタコンまではいきません......多分。
ルシアは一応一人っ子で常々、弟が欲しいという願望がありました。
今回のショタはドタイプのようです!!
もし面白い、続きが気になる!と思った方は
【♡応援】や【星レビュー】をしてくれると超嬉しいです!!
更新は明日の『『21時過ぎ』』です!
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