43話ー➂ ロリ×ショタ=嫁の性癖
「間違いないわ……あれは……ショタよ。完璧なるショタ!!」
「は??」
は?何を言ってるんだこいつは?
「えーと?ルシアさん?あなた、ショタコンだったんですか?」
「は?何言ってるのルーク?ショタが嫌いな女なんてこの世に存在しないわ。常識よ?」
いや、君こそ何を言ってるんだ?
彼女の目の前には、確かに紺色の髪をした美少年が立っている。
男の自分から見ても、確かに「愛らしい」と感じるほどの整った顔立ちだ。
「義弟……見た目は完璧ね。お姉ちゃん、可愛がっちゃうわ。」
「頭、大丈夫ですか?それ犯罪ですよ?」 ※尾行の時点で犯罪です。
「とにかく様子を見ましょう。大切なのは中身よ。」
「うわぁ、説得力ねぇー。」
エリーと少年の会話が聞こえてきた。
「リーちゃん!遅れてごめんね……待った?」
「ぅ?時間……ピッタリ。」
リーちゃん!?何だその兄も聞いたことのない愛称は!?
一発目のインパクトが強すぎて、会話の内容が頭に入ってこない。
「あれ?そう?良かった……」
「ぅん。」
「あとこれ!新発売の髪飾りプレゼント!夜間に飾りの花が咲き誇って、しかも光るんだって!」
「あ、ありがと……ハルト、くん。」
何なんだこれは……頭がおかしくなる。
僕らはいったい何の茶番を見せられているんだ?
「これは……完全に惚れてるわね。」
「見てるこっちの羞恥心が半端じゃないわ……でもロリショタの完成形が目の前に広がっているのは最高ね。」
ダメだ、ルシアの頭は完全にショタでいっぱいになっている。
義理の妹をロリとか言い出したあたり、もう末期だ。
僕は諦めて、2人の会話に集中することにした。
「じゃあ行こう!美味しくてオシャレなカフェテリアを見つけたんだよ!」
「ふぇっ……」
なんだと!? あのショタ、エリーの手を馴れ馴れしく握りやがった!?
それにエリーが「ふぇっ」なんて言ったのを聞き間違いだろうか……。
「一軒目のお店を前もって調べているなんて……ポイント高いわね。」
「その場でブラブラしながら決めてもいいんじゃない?」
「……お昼からのデートでは、一軒目が大事なのよ……多分……」
自信なさげに答えるルシア。
僕はため息をついて、再び尾行に集中した。
「リーちゃんって、カフェとか好きだった?何でも食べるって聞いてたから、僕が勝手に決めちゃったんだけど……大丈夫、でしたか?」
「うん。ハルトくんありがと……」
「ハルトでいいよ。他人行儀じゃなくてさ。」
「じゃー……ハル?」
……なんだこれ。段々と脳がバグってきた。
エリーは完全にメスの顔になっている。
「そういえばさ、リーちゃんの趣味とかあるの?」
「……ぅぇ?えっと、お金を稼ぐこと?」
「え?ほんと?僕も実は投資やってるんだ!最近はソリッドトレーダーが熱いよね!!」
「分かる。自動AI、なのに安定して高利益出す。先行投資高いけど。」
会話が噛み合いすぎて、逆に怖い。
しかも掛け合い激甘すぎる。よだれ垂れそう......
「ルーク……あのカフェテリア、高級な部類よ。彼、エリーに払わせる気かしら?」
「向こうも金はありそうだが……もし金目当てなら、その線もあるな。」
そうしてエリーとハルトの食事が終わり、会計の時がやってくる。
カフェテリアには会計場所がなく、テーブルに置かれた電子決済機で生体認証を行うだけで決済が完了する仕組みだ。
「ハル?私払う?」
「え?本当に?僕が払うつもりだったけど、割り勘がいいの?」
「ん。割り勘、する。」
「いいよー。そうしよ?」
なるほど、エリーは奢られることに抵抗があるタイプか。
でも、僕はいつも奢らされている気がするんだが?
「うまく平和にまとめたわね……」
「本当だよ。僕らが粗探しをするただの悪者みたいじゃないか。」 ※事実です。
その後もデートは順調に進んだ。
エリーにアクセサリーをプレゼントしたり、食べ歩きを楽しんだり……。
空中に浮かぶ遊園施設では、二人は楽しそうにアトラクションを満喫していた。
第7惑星の魅力を最大限に活かした完璧なデートだ。
エリーが楽しんでいる姿を見て、僕もつい品定めを忘れ、ほっこりしてしまう場面が何度もあった。
「いい義弟になりそうだわ……」
「気が早いよ。そもそも義妹の旦那を義弟って呼ぶか?無理あるだろ……」
「あなたのような勘のいい男は嫌いよ。」
「えぇ……それ〇練やん......」
しかし、その平和は突然崩れ去った。
「魔獣だぁぁ!!市街地に魔獣が出たぞぉ!!!」
「は?」
「え?」
ここはどこだと思ってる?
第7惑星は12惑星の中でも、4番目に強力な結界と防衛システムを誇る惑星だ。
市街地まで魔物の侵入に気づけないわけがない.......
この間スタンピードが進行してきた第2惑星とは訳が違う。
「まずいわ!エリーちゃんとハルト君がいる方向よ!」
「四の五の言ってる暇はない!急いで向かおう!結界を破るほどの魔獣なら、甚大な被害が出るぞ!」
僕たちは急いでその場を駆け抜け、500メートル先にいるエリーとハルトのもとへ向かった。
だが、魔獣は既にそこに迫っていて、ショタくんはまだその危険に気づいていない。
エリーも少し離れた場所から、彼を助けようと焦っている。
……しかし、次に僕が目にした光景は予想を遥かに超えるものだった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★
どうもこんにちわ。G.なぎさです!
ここまで読んでくださりありがとうございます!
甘々な妹のデート回、ルークとルシアの脳は限界寸前?
しかし、そこに覆いかぶさる不穏な魔物の影が......
もし面白い、続きが気になる!と思った方は
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更新は明日の『『21時過ぎ』』です!
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