18話ー➂ 初代全神王の因果
――少し時間をは遡り――
私は少し離れたところで二人の戦いを観戦していた。
「あら、すごい魔力量……『十神柱序列九位の狙撃神』と『魔道神』の魔力量を優に超えていますね。」
それにしても、凄まじい才能と成長速度ですね。
最上位神でさえ、そのほとんどは数百億年以上生きる者達なのに。
しかしそれは言い換えれば......
最上位神の強さ到達するまでに、普通は百億年単位の時間が必要ということ......
「本当に……かつて栄華を極めた初代全神王様の時代でさえ、稀に見るほどの規格外の天才ですね......」
まだ生まれて五億年程度しか経っていない生命とは、思えない突き抜けた強さ……
しかも恐ろしい事に彼らは、戦火の絶えない混沌とした時代に生まれたわけではない。
平和な時代に生まれたにも関わらずあの強さだ。
いえ、それは彼ら二人の周りにいる妹のエリーや親友夫婦にも言えることでしたね。
彼らという強大な才能に引き寄せられる形で、尋常ならざる潜在能力を秘めている者達が集まっている。
「もう直に私も引退なのでしょうか?私もすっかり歳を取りましたね……あの頃は若い方でしたのに。」
私はかつてを思い出した。初代や二代目の頃、十神柱の全員が揃っていた頃の天上神界を......
あの頃は自分よりも遥かに強い神や、存在が敵味方問わず山ほど存在した。
私は当時から十神柱に序されていたものの......
ヴァラルとの戦争ではそのレベルに付いていけず、前線にさえ立たせてもらえなかった。
後方支援と、時空操作神法を使った怪我人の救命活動......
それが私の主な役割だったのだ。
「また十神柱の皆さんで集まって愚痴でも言いたいものです……それにしても今回私の出番は無さそうですね。」
原初熾星王相手に、生まれてたった五億年程度の神が圧倒しているのだ。
そう遠くない内に私など簡単に超えていくだろう。
しかし、そこで驚くべきものが飛び込んできた。
「えっ?」
それは二人が発動した天武の輝きであった。
「て、天......武?管理者でさえ一部しか持っていないものを……あの二人が?」
天武は単なる才能では片付けられない。
天武を発現した存在は、その力で世界に計り知れない影響を及ぼす。
そして、天武を持つ者の成長速度には個人差があれど、その強さにはほとんど限界がないのだ。
「なるほど。あなた達が今代の……そうですか初代様。それが因果なのですね。ならば次こそは......」
私は一人、満天の星空に向かって呟いた。
:時は戻って:
僕とルシアが気付いた異変。
それはどんどんと黒く、大きくなっている。まるで……
「銀河の中心にあると言われる、超巨大質量のブラックホール……」
「そんな……もう共鳴はできないわ。」
見誤っていた。原初熾星王は生命ではなく......
宇宙の事象を司る存在なのだ。
そして眼前の黒玉と向かい合った。
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どうもこんにちわ。G.なぎさです。
この度は最新話を読んでいただきありがとうございます。
今回の17話では原初熾星王を圧倒する主人公たちの姿が見られましたね!
最後不穏な空気が漂っていましたが......再度根源共鳴ができないとはいえ、主人公達は一応全回復している事をお忘れなく!
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