42話ー➃ ファザコン&マザコンの二刀流





「お父様を探して欲しいの。もちろん私達も探しているのだけれど……相手が相手だから協力を仰げる人が少なくて……」



 2代目の存在は秘匿されている。

 最上位神以上しかその存在を知らないとなると、協力を仰げるものはかなり限られてくる。


 するとテラリス様が話し出した。



「ちょ!?タンマタンマ!あたしは探してないからね?探してんの雷華くらいでしょ?お姉ちゃんともこの前会ったけど......時が来れば会えるって言ってたじゃん?」  ※お姉ちゃん=一番上の姉


「……お姉様は黙ってて下さい。」


「何で!?除け者!?」



 何となく家族の力関係が見えてくるなこれ……

 するとルシアが口を開いた。



「テラリス様『お姉ちゃん』というのは1番上の?」


「そうそう!呪術師のね〜。世界最強の呪術師なんだよ!兄妹みんなのまとめ役!この前友達と会いに来たとかで、たまたま立ち寄ってくれたの。」



 世界最強……か。まだまだ壁は高そうだ。



「姉上を私達と同列に並べてはいけないわ。強さもさることながら、お歳も私達とは違いますからね。」


「あの雷華様?それって悪口なのでは?」


「.......」



 雷華様はダンマリを決め込んだ。



「でもお姉ちゃんすーぐに居くなっちゃうよねぇ。呪術師は定住しな~い、とか言って。いっつも連んでるのは死体コレクターだし?シリアルキラーの.......」


「話がそれ始めてますよお姉様。戻りましょう。」


「はい……ごめんなさい。」



 思わず笑いそうになってしまったが堪えた。



「とにかくお願いできる?姉上に聞いてもいつもはぐらかされるの。」


「失礼ながら申し上げてもよろしいでしょうか?」



 前ならば喜んで受けただろう。

 だが今は事情が違う。僕達は一刻も早く強くならなければいけないからだ。



「僕たちに利点がありません。雷華様が発見できない方を、僕らが探し出せる確率はかなり低い。一刻も早く強くなる為には、他の事にリソースを割いている暇はありません。」


「ちょ……ルークその言い方は流石に失礼よ。」



 失礼なのは100も承知だ。

 承知の上で言っている。それだけ現在は戦力強化に追われているのだ。



「引き受けてくれるなら5代目に推薦する。見つけられたらじゃない。捜索を引き受けてくれたらよ?破格の条件じゃない?」


「ちょっとちょっと雷華あんたねぇ……いくらパパ好きだからって、それだけで次の神界の天王に推薦するって言うの!?」



 すると雷華様はムッとした顔をしてテラリス様を睨んだ。



「そうよ。もう何年パパレスだと思ってるの!もう限界なのパパとママに会いたいの!いいでしょもう沢山我慢したわよ!!」


「雷華あんた……えぇ? そうだったわね。あ、うん分かったわ。」



 ……とりあえず雷華様のファザコン&マザコンが完全確定した。



「私の推薦は十神柱ほど力はない。でも最上位神序列4位よ4位!影響は相当大きいと思うけど?」


「……分かりました。引き受けます。ただし鍛錬の片手間になる事は予めご理解下さい。」


「もちろんいいわ。父上と母上は『果て』にいる。『果て』に関して何か手がかりを掴めたら教えて。」



 ん?果て?この前言ったところがそうなのではないか。

 飲んだ霊薬の名前も『果ての残骸』だった。



「雷華様……既に心当たりが……」


「な!?教えて!!早く!!」



 いや......ファザコンすぎない?大分イメージ崩れたんだけど......

 まぁ元々口調も安定してなかったし......結構変わり者の女神様なんだな。


 その後、霊薬接種後にあったことを雷華様に伝えた。



「間違いない......果てよ。そして音を発していたのはインサーニア。父上唯一の腹心よ。あとね、その薬屋にもう一回行ってみなさい?恐らくもう薬を売った店主はいないから。」


「つまり……仕組まれたと?何らかの意図があって……」



 確かに......いくらなんでもあの霊薬は、運がいいで片付くレベルではない。

 最初から仕組まれていたと考えれば、まだ納得できる。



「でも仕組んだのはパパかは不明ね......パパはそういうタイプではない。それとも何か意図が......」


「......僕には図りかねます。店主の方に心当たりはないのですか?」


「それはあるわ。恐らく最も古い森に居候する回復・復元を司る管理者の一人。特徴が一致する。話し方も含めてね?」



 管理者......僕は知らず知らずの内に管理者と接触していようだ。



「彼女があなた達に干渉してきた理由は不明。でもね、彼女は『アカシックレコードの番神』という側面を持つ。接触に何らかの意味があるのは間違いない。」


「ルークは......消えかけたんです。それに......意味が、あると?」



 ルシアはとてつもない敵意と殺気を、雷華様に向けて放つ。

 そこには重く、息が詰まるような絶望と苦痛が込められていた。









 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★


 どうもこんにちわ。G.なぎさです!

 ここまで読んでくださりありがとうございます!


 一番上のお姉ちゃんはいつも『快楽殺人鬼の死体収集家』とつるんでます。

 でも常識人です!←疑惑 ちなみに死体収集家は父の妹(出生事情恐怖)です。


 もし面白い、続きが気になる!と思った方は

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 更新は明日の『『22時過ぎ』』です!

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