第37話 合同合宿訓練!!

37話ー① ルーク VS エルガリブ





 今、僕たちは亜空間の仮想結界内に来ていた。

 この訓練用結界は神界全域を鏡写しで再現しており、中でどれだけ暴れても結界が衝撃を閉じ込めてくれる。


 これはこの前の調査依頼の謝罪品として、十神柱から貰った聖遺物なのだ。

 原理的には『鳴神剣神』と戦った模擬戦闘用の結界に似ているらしい。



「さぁてガリブ!久々に一騎打ちだね。中位神の時に公式戦でやった時以来かな?」


「はは!おうよ。あの時は負けちまったが、今日はそうは行かねぇぞ?」



 ガリブはいつも以上に意気込んでいる。

 実力も以前より大幅に上がっているのだろうが、負ける気は全くしない。



「んじゃ。行くぜルーク!!」


「よし、来い!」



 そういうとガリブは真っ直ぐ踏み込んできた……ように見せかけている。

 ここで騙されたフリをするのも心理戦の一つだ。



「直線的だね!甘い。」



 ガリブがやっている事は単純だ。

 開始と同時に自信に隠蔽魔法をかける。


 そして姿を見えなくした瞬間に、自身の幻影を作り出し直線的な攻撃をするように偽装する。


 踏み込み時の地割れや、空気の振動なども上手く偽装できているので、並の上位神ならばこの一撃で決着が着く。


 さらに言えばカモフラージュ用に、わざわざ別の場所に自身の気配を作り出している用意周到さだ。



「ルーク。貰ったぜ!!」


「何!?」



 驚いたフリをしてわざと体勢を崩す素振りを見せる。

 ガリブに勝利を確信させて油断を狙う。


 ちなみに彼の仕掛けてくる場所には、予め強力な置型の魔術を仕掛けてある。

 後は任意のタイミングで発動させればいいだけだ。


 そして僕は満を持して置型の魔術を起動した。



「最終位階魔術・五色属性破壊陣!!」


「……このヤロォ!!」


「残念。吹き飛ぶんだな。」



 置型の魔術は放射状に棘を出し、ウニような形で爆発した。

 しかしガリブはこの魔術を真っ二つに切り裂き、有り余る力で反撃をしてくる。



「この程度じゃ吹き飛ばねぇよ!!超重剣斬!!」


「流石に魔術は舐めすぎたかな?神術とかにしとけば良かったよ。」



 ガリブの超重剣斬は特殊な技能だ。

 魔術や魔法、神術のようなものではなく、『特殊技能』と呼ばれる固有能力に近い系統の法理だ。


 固有能力との違いは、後天的に身に付けられるものだという点だ。それ故に固有能力ほど強大ではない傾向にある。


 また他にもスキルや加護、心象武装、異能や超能力など、神界には多くの戦闘様式が存在する。

 大抵こういう能力は自分が元いた世界の名残だ。


 これらは習得原理も力を起こす過程も異なるため、対策もそれぞれ変化するのだ。



「うぉぁぁぁぁぁ!!!」


「!?」



 そしてその中でも特殊技能は、上位に当たる技能がない。威力や精度は全て本人の実力に左右される。

 魔術であれば『神術』が上位の術に当たり、基本的に神術の方に優位性があるのだが、特殊技能にそれがないのだ。


 そして僕の剣とガリブの長剣が交わった。



「潰れちまえ!!!」


「いいねー。重くなってるよガリブ。前より1000倍は重く感じるな。」


「やろぉ。余裕かよ!片手で受け止めやがったな!!」


「でも僕は1000倍以上強くなってるんだ。」



 片手で受け止めてはいるが、威力はもはや大型の破壊兵器並だ。


 受け止めた瞬間衝撃で、周りの建物は全て吹き飛び更地となってしまった。

 衝撃の余波と摩擦はそのまま熱量となり、周囲の地表をバリバリと破壊している。


 魔法陣で足場を作っていなければ今頃僕は、破壊された地面で体勢を崩していただろう。



「だがこれだけじゃねぇんだよ!!」


「お!どんどん重くなるね……加重の神術か?」



 ガリブが神術を身に付けていたとは意外だった。魔法や魔術の類はてっきり苦手だと思っていたからだ。

 ガリブの大剣には赤いオーラのような物が集まり、どんどんと重くなっていく。流石に僕も片手で止めるのは厳しくなってくるほどに。



「何で片手で止めたのか……考えはしなかった?」


「まさか……空いた片手で術を!?」



 これは嘘だ。本命はガリブの背後で発動している拘束系の神術と、全方位からの貫通系神術だ。

 これらは当然、隠蔽魔法で隠しているのだが……万が一にも見破らせないように、意識を僕の右手に向けさせたのだ。



「よし、拘束!」


「クッソ!ブラフか!」



 ガリブは僕の発言が誘導だということにすぐに気がついた。しかし時すでに遅しだ。



「クソ!!こんな拘束魔法!!」


「それはガリブじゃ解けないよ。何せ一瞬とはいえあの最上位神序列4位 鳴神剣聖を完封した神術だからね。」



 実際に絶魔の封陣は超強力な拘束手段だ。

 今のガリブ破れないだろう。しかしガリブには1つだけ脱出方法がある。



「固有能力!!破魔の波!!」


「やっぱり使ってきたか。」



 ガリブの『固有能力』がついに姿を現した。







 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★


 どうもこんにちわ。G.なぎさです!

 37話ー①をここまで読んでくださりありがとうございます!


 ついに始まった、ルークvsガリブ!!

 脳筋、原人とバカにされているので、一見頭が悪いように見られがちですが……戦闘IQは比較的高いです!


 そして炸裂する新たなる系統『固有能力』とは!?


 もし面白い、続きが気になる!と思った方は【♡応援】や【星レビュー】をしてくれると.....超嬉しいです!!


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 更新は明日の『『22時過ぎ』』です!

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