第27話 神界最強の武神
27話ー① コミュ障発動!?ポンコツのルシア?
もう飽きた展開かと思うが……
まただ......またやってきた。
またルシアは幼児化している。しかも今回はいつもより重めだ。
チェックアウトの時間を近づいても、幼児化が解ける気配さえなかった。
その為、僕は今ルシアをおぶって街中を歩いている。
流石の僕でも周りの視線が痛い……
「ルークゥゥ。ギュゥゥするぅ。」
「ルシアー。そろそろ目覚めてくれないか?」
「やや!ルークといーっぱいくっつき虫さんするの!」
うぉぉぉその語彙チョイスやめろぉぉ!!
周りの目線が哀れみから、『軽蔑』になってきてるんだよぉぉ
「ルークゥ私とずーっと一緒?」
「ずっと一緒だよ。何があっても君の元に行く。命をかけてね。」
「んへへー。うえしいぃ」
結局......15分以上立ってからルシアは完全に目覚めた。
「あぁ……ぁぁぁ。ほ、ぁぁ。ごめんなさい迷惑かけたわ」
「人ってマジもん黒歴史を作ると『あ』しか言えなくなるんだなぁ……まぁ昨日夜遅くまで巻き込んだ僕にも非はあるよ。てか僕に非がある。」
「にしてももう少し寝起き良くしないと......あんな事し続けたら、全神王選挙で落選する要因になりかねないもの......」
「まぁ......周りからの認識変化の魔法はかけたよ。この都市が魔法の使用を禁止されてなくて助かったよ。」
まぁ実際今回は焦った。何せ周りらの目線が痛い。
たとえ他の姿に見えていようともメンタルに来る。
「あぁ……くっつき虫さんなんて……恥ずかしい。」
「2人きりなら大喜びなんだけどね。音声隠蔽も掛けとけばよかったよ。」
「どうにか対策を考えないといけないわね。にしてもどうしてああなるのかしら。」
確かにどうしてああなってしまうかは不明だ。
しかもルシアと出会いたての頃は、寝起きは悪かったがあんな風にならなかった。
「いつもツンツンしてる分、デレデレしちゃうとか?」
「ぅぅ?そ、そんな訳ないでしょ!ツンツンなんてしてないわよ!」
「はいはい今してます〜。」
「ぅ、してない!」
ちなみに僕らは今2人で茶屋に来ており、緑茶とわらび餅をつついている。
わらび餅は正直かなり好きだ。
自宅保存用に買って帰ろうと思ったが......
その後、そんなもんないと一蹴された。
かなちぃ......
:遂に到着?:
地図に書かれた場所は、少し街から外れた場所にだった。
そしてそんな郊外に、ひっそりと道場が立っている。
看板に書いてある武術の名称は......『武道』
豪華絢爛という訳ではないが......
古いながらもしっかりと手入れされており、大切に守られてきた感じがする。
「何か......思ってたより普通ね?大きいといったら大きいのだろうけど。」
「......いや待て。この道場......とんでもなく古いぞ!?鑑定しても正確な年代が分からないレベルだ。」
「えぇ?」
すると道場中から1人の女性が出てきた。
女性は水色の長髪を邪魔にならないように結っており、灰色と紺色の袴を着ている。
「あら?入門希望者でしょうか?」
「あ、え、あはい。そうだと思います。」
おぉい!?ルシア!?
咄嗟にハイとか答えてんじゃないよぉ!!
入門はしないかもだろ!?
特有のルールや、通う事への規則なんかあったら、多忙な僕らは守れないぞ!?
「僕ら紹介状を頂いてここに来たのですが……師範の方はいらっしゃいますか?」
「そうでしたか!中で拝見致しますので靴と靴下を脱いでお上がり下さい。」
僕らは指示通りに、裸足で道場の中に入った。
道場内には白い袴と道着を来た人達が、各々に組手やら型やらをやっている。
想像していた武道のイメージより......なんか緩いし自由な感じがする。
「今は個人修練の時間なのですよ。段位の高い方々は個人修練洞を使っている方々もいらっしゃいます。」
「なるほど……」
「わざわざ私達にお教え頂きありがとうございます。」
しかしどこを見渡しても、師範らしき人物の姿は見受けられない。
すると目の前の水色の髪の女性が口を開いた。
「さて。申し遅れました!私武道流の今代の全伝継承者にして、最高師範を務めさせて頂いております 天道 音羽 と申します。師匠からの紹介状確かに承りました。責任を持って指導致しますね!!」
うわぁこれあれや......
ルシア師範に入ります宣言したやつだ。
案の定ルシアは隣で汗ダラダラになっている。
にしても気づかなかった、この人に覇気がなさすぎて......
ん?この人......
4代目全神王様が話していた、天界最強の武神じゃね!?
僕らは不意に、天上神界最強の武神と対面した。
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