26話ー➂ 猿だって雄は雄だ!!





 僕らは千冬ちゃんに教えて貰った旅館に到着した。



「これが旅館というものなのね……何と言うか派手でもなく、かと言って古いというわけでもなく……なんというかその」


「無理に言語化しなくていいから行くよ。」



僕らは旅館へと入っていった。フロント?に向かった。

部屋は幸い空いており、スムーズに部屋を取ることができた。


さらに言えば、

さっき千冬ちゃんからもらったお守りを見せたら、旅館のお金がタダになったのだ。



「ねぇ。もしかしてお守りってこういう事?千冬ちゃんの紹介だしここの宿……」


「みたいだね。役に立つか分からないって言ったのは、僕らが収納魔法に入れっぱなしにしてたらって事だったんだね。」



すると部屋まで案内してくれている方が、旅館について話してくれた。



「この旅館は皆さんよくご存知の、天界最強と名高いアウルフィリア様がご贔屓になさっているのですよ。是非温泉にお入りになって下さいね。」



うわ、めっちゃ凄い宿じゃん。





その後僕らは、部屋に運ばれてきた料理を平らげて、貸切の温泉に向かってみた。


当然2人で入浴している。



「ふぅ……お湯が濁ってて良かったわ。源泉かけ流しですってね?」


「……クソ。これだからいい湯は。」


「残念だったわね。」


「美しい芸術品を隠すなんて.....」



しかしルークは何か思いついたようで、ニヤニヤ笑っている。

嫌な予感しかしない......この顔をしたルークに私は勝ったことがない。



「見えないのならば......見せればいい!!!」


「は?」


「いでよ。我がエクスカリバー!!」


「へぁ?」



ルークはまるで......

神話の剣でも顕現させるように、魔法で壮大なエフェクトをつけて立ち上がる。



「ふぁぁ!?見えてるから!!見えてうから!ルーク!!」


「違うな。間違っているぞ。見えているのではない。見せているんだ!!」


「ぅぅぅぅ......恥ずかい......なんでぇ......平気なの?」


「全く?減るものじゃないし。むしろ増えそう。」



ダメだ......やっぱりルークには勝てない......

この人には羞恥心や恥じらいの類がない......


それに引き換え私は......ぅぅ......ダメ何も考えられない......


しかしその時、風呂の岩陰から何やら気配を感じた。



「誰だ!ここは貸切だぞ!」



キィィィ。


お、お猿さんだ......

た......助かったぁ.......おサルさんありがとう......



「きっとお猿さんも温まりたいの。鑑定してもお猿さんだし、気にする事はないでしょ?」


「……いや待て。こいつもしや。」


「な……何?気になる事でもあるのかしら。深刻そうな顔ね……」



ルークはいつもに増して真剣な顔だ。

私が気付いていないだけで、もしや何か異変に気づいたのかもしれない。



「間違いないルシア……こいつ.....雄だ!!!」


「は?」


「さてはルシアの裸体を見に来たんだな!この変態猿め!!許せない!」



真剣に考えた私が馬鹿だったようだ。



「ルークあなたね!まさか......雄の猿相手に対抗心を燃やしてるの!?」


「そうだよ!猿だろうが!虫だろうが!オスはオスだ!!」


「……流石にちょっと引くわ。」


「…………............」



ルークは急に大人しくなった。

まるでよく躾られた動物のように......








温泉を出た僕達は、敷布団を敷いて寝る準備をしている。

ルシアの浴衣姿は、何ともご褒美でしかない。


お風呂上がりで火照っており、前髪を前に流している。

なので世界屈指の芸術品である、『ルシアのうなじ』が見える。最高だ。



「ルシアさんルシアさん。」


「い……いきなり何よ?敬語で。」


「浴衣姿が本当に可愛いよ。今から抱いていい?」


「はぁ!?ちょ!ちょ!待っててば!」



僕はルシアを少し強引に押し倒し、浴衣をはだけさせた。

ルシアは耳まで真っ赤にしながら、腕で顔を隠している。


そして僕はそのままルシアの事を襲い、その夜も体を重ねるのであった。





☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★


どうもこんにちわ。G.なぎさです!!


最新26ー➂をご覧いただきありがとうございます!


今回は混浴に夜のお楽しみ......色々な平穏がてんこ盛りの回でしたね!!

次回27話では本格的な訓練編に入ります!!


私は実際に少しだけ古武術、柔術、MMAの経験がありますのでちょっと経路の違う回になるかも?

でもちゃんとファンタジーです!!!


最新27ー①は『『明日の22時過ぎ』』更新します!!!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る