4話ー➁ いざ到着!!世界樹の枝上へ!!
――翌日――
今回僕たちが向かうのは、神界の第3惑星に位置する自然豊かな観光地、バルキレフ地方だ。
神界は、超巨大な中央惑星を中心に、12の惑星が周囲を取り囲んでいる。
この集合体を中央神界と呼び、一般的には神界や天界として知られている。
それぞれの惑星には独自の風土や文化があり、古の伝承や神話が色濃く反映されている。
「バルキレフは自然豊かだから本当に楽しみだね。」
「それは田舎っていう事でもあるんじゃない?」
「交通網はしっかりしてるし、そんな事もないよ?インドアさん?」
少し妻がムッとしたような気がしたが、気にせず惑星移動船に乗り込んだ。
惑星間を結ぶ遊覧船が静かに動き出し、数十分後には第3惑星の美しい景色が窓から見えてきた。
「綺麗な惑星ね。いつ見ても緑と青が美しいわ……私の生きてた惑星とは大違い……夢みたいね……星もその後ろに見える銀河も星雲も何もかも。」
惑星移動船の窓からバルキレフの景色を眺めながら、妻はうっとりとした表情を浮かべていた。
神界に住む生き物の半分以上は神界生まれではなく、僕たちも例外ではない。
この世界は、生命体がたどり着く最終的な安住の地であり、天国と称されることもある。その詳細については、また別の機に話そう。
「たまには宇宙船でゆったり移動するのも良いだろ?飛翔して行ったらこんなに見られないよ?」
「そうね……連れてきてくれてありがとう。」
「今更だろ?これからもっともっと色んな場所に連れて行くから。」
そうこうしているうちに、バルキレフ行きの惑星移動船は着陸した。
降り立った先には、宙に浮かぶ石畳で舗装された美しい樹上都市が広がっていた。
ここはこの星の首都で、都市の直径は実に335kmに及ぶ。
この都市は、遥か古の天界建界前から存在する巨大な樹の上に築かれている。
都市全体が木々の枝と共に宙に浮かび、まるで自然と共に生きているかのようだ。巨大樹の無数の太い枝の上には、街路や建物が立ち並んでいる。
歩道は石畳で整備され、都市全体が空中に浮かんでいるように見える。どこを見ても緑と石畳の調和が美しく、訪れる者の心を癒す。
巨大樹の根元から頂上までが都市の一部となり、自然と都市が一体化した景観は、他に類を見ない美しさを誇っている。
「いざ降り立ってみると……ここが巨木の枝の上って事しか目視では分からないわね……なんか興奮するわ!」
「本当に他の惑星行かないんだね。友達少ないし当たり前か。」
「うるさいわね。インドアって言いなさいよ!」
「折角来たし!早速見て回ろう!巨大樹の周りを取り囲む山脈も綺麗だ!」
僕は再びルシアの発言を無視した。
巨大な枝の上には店が立ち並び、街の景観を損なわないため、すべての施設が自然と調和した外装になっている。
流石は観光地だ。そしてその巨樹の周りを取り囲むように、壮大な山脈が円状に連なっており、自然の美しさを一層引き立てている。
「おーいそこの2人ー新しい武器、サブの武器なんてどうだい?」
「おっそれはいいね!少し見に行こう!」
「いや。観光に来て普通武器屋に行く?ムード叩き壊してるわよ?許してあげるけど。」
「あざぁっす!流石僕の嫁!」
「も……もぉ。お、おだてても何も出ないわよ。」
うちの嫁チョロ……。
僕はルンルンで武器屋に駆け出した。
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