64話ー④ 繋がる異相

 






「ベルロットの坊や。神界の現状知ってる?てか頼みがあってさ~」


「ベル......は?」



 ベルロット?まさか……三代目全神王ベルロット・ブレスター?

 長らく前にこの世界の次元から姿を消したとされる存在だ。ここで名前を聞くことになるなんて……。


 理由は不明だが、連絡手段があるとは思えない......一体この人、何だったんだ??



「界禁機密―六号。あれさ外出せない?......そろそろいると思うんだよね?」



 電話越しから、男性の声が微かに漏れている。しかし、その言葉は僕たちが知っている言語とは全く異なっていた。

 彼が本当に天上神界の出身者ならば、一体どうしてだ……?

 それに彼が生きているのなら、どうして今まで沈黙を守っていたのか?



「ルーク……彼女は何か神界の重要な役職持ちなの?」


「いや......階級的には臣民の階級に分類されるはずだよ。エリー、何か知ってる?」


「ぅぅ、ごめん。知らなかった。」


「これは……もはや警戒した方が良いレベルだね。」



 ......便利さは時に危険性を併せ持つものだ。


 エテルノは駒としては優秀だが、信を置く相手としては慎重を要する存在だ。

 行き過ぎた能力は、時として身を滅ぼす諸刃の剣となる。



「ルーク?あの電話は何なのかしら?」


「......ネオン。あれを作ったのは君かい?」


「キヒ?違うぅぅ。エテルノずっと持ってる。中調べたぁぁ、普通の電話ぁぁ。」


「なるほど......やっぱりあの電話自体が特殊、というわけではないのか......そう考えると、エテルノの能力か、世界の外にあるなにか......」



 電話そのものが特殊なのではなく.......

 彼女の能力......あるいはこの世界を超えた、未知の技術が関与している可能性が高い。



「もしかしてあれも世界の外側にあるものなのかしら?」


「みたいだね……でもおかげで分かった。世界の外にある存在は、思った以上に多いみたいだ。ネオン……解明は?」


「キヒヒ......もうやってるぅぅ。」



 そう考えを巡らせていると、エテルノの声が明るくなった。

 どうやら交渉が決着したようだ。



「マジィ!?サンキュ~マジ大好き。あざ~っす。」



 受話器を置いたエテルノは満面の笑みを浮かべている。



「やったキタコレ!わんちゃん行ける!!」


「......何者なんですか?あなた......そもそも三代目が生きてるなら......」


「......複雑なんだけどさ。今話したのは確かに三代目なんよ。でも三代目は生きてない。訳ワカメかもだけど、マジなんだよね。」


「生きて......ない?」



 生きていない......?つまり既に亡くなっているということだろうか。

 だが、今の電話のやり取りはどう聞いても現在進行形だった。

 エテルノの断片的な返答から、過去に繋げた可能性は限りなく低い。



「死んだともいえないんだけどね〜。でも死んだと生きてるどっちに近いかといえば、死んでるに近いね?」


「ではーさんは三代目の引退理由を知っているのですか?」


「もちのろんよ!......でも今は言えない。ごめんね~。」



 これは何かがある。僕も三代目について調べたことはあるが、晩年は公に姿を現した記録がほとんどない。

 もしかすると、三代目は何かしらの異変に見舞われたのか……


 明確に「生滅」と断言できない以上、謎は深まるばかりだ。



「分かった。今は理由について言及するのはやめるよ。」


「そうね......とにかく二人とも、これからよろしくお願いするわ。」



 その瞬間、ルシアが外向きの態度を突然終わらせた。

 いつもの自然体に戻った彼女の姿に、初めての二人は少し驚いた。



 その後、僕たちは今後の計画や研究成果、兵器や魔術に関する話を聞きながら、カリウス内に泊まることになった。


 ――何度もルシアの目玉を欲しがるネオンに頭を悩まされながら......







 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★



 どうもこんにちわ。G.なぎさです!

 ここまで読んでくださりありがとうございます!


 語られた三代目全神王の衝撃の状態......

 そしてエテルノの正体とは??


 次回第65話、遂に最後のメンバーが??


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 【【お知らせ】】中盤執筆の為、しばし毎日投稿じゃなくなります。


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