第13話 ゼニスワールドアカデミー!!

13話ー① 恐怖の講義制度!?空っぽの教室!?





 僕は転移魔法のゲートを通り抜け、界立ゼニスワールドアカデミーに到着した。


 ここは天上神界の中で最も入学が難しいとされる最高峰の大学だ。

講師陣も学生たちも、卓越した才能と高い向上心を持っている。


 そして家柄や、血統などの優位性を一切考慮しない、完全なる実力主義の世界だ。


 そしてこの学び舎で過ごす時間は、知識と技術、その最前線に立つという意味も持っている。

 正に次代の神族を、育成する役割を担っているのだ。



「とは言っても……色んな学科があるし?みんなそれぞれの分野で活躍できるんだけどね。」



 僕は呟きながら自分の研究室に入り、講義の準備を始めた。



「さてと。まずは開講の告知を出さないと。」



 この大学では、定期的に行われる講義。

不定期に行われる講義の二種類が存在する。


 不定期講義は特定の時間枠に行われ、必修科目ではない。

そのため、どの講義を受けるかは、学生の選択に委ねられている。


 不定期講義は録画視聴が可能だ。

しかし、時間は有限。録画講義であっても、慎重に選ぶ必要がある。


 人気のない講師の不定期講義では、度々教室が完全な無人となる。

録画用の授業を、空の教室で撮り続ける......


そんな寂しい光景がしばしば見られるのだ。



「この時間に、僕より人気の講義が重ならないといいな......。」



 僕は定期講義は1つしか担当していない。残りは全て不定期講義なのだ。

これは恐らく、正規の講師の中では最も少ない。



「はい独り言乙。とりあえず講義教室に向かうか。」



 学園は驚くほど広大だ。もはや壮大と言ってもいい。

何故なら小さな人工惑星とは言えが、一惑星が丸ごと学園になっているからだ。


 そのため、移動には学園内に設置された、転移ゲートを使わざるを得ない。

もし歩いたら......年単位の時間がかかる可能性さえある。



「ゲートに講義教室の座標を入力してと……ゲートが沢山あるとはいえ、生徒たちは本当に大変だな。教師は専用ゲートだもんなぁ。圧倒的優越感!」



 僕はそうボヤきながら、転移ゲートを潜った。

天上神界の文明の技術力は、この転移ゲートの存在からも窺える。


 瞬時に場所を移動できるこの技術は、超高度な魔法理論と、精密な製造技術によって成り立っているのだ。



「あ、ルーク先生!久しぶり~」


声をかけて来たのは赤髪ミディアムヘアの超絶美少女......ステアだった。

                        

               




         


「赤髪の美少女 ステアのイメージイラスト」

https://kakuyomu.jp/users/nagisakgp/news/16818093080336167788

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る