第175話 捕まった!

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「王様が、来たよ!」

「本当だ、1人で近づいてくる」

「よしそのまま、こっちに来てよ、早く早く」


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不思議な感覚だ、何故あの果実に近づくと、呼び寄せられる感覚になるのだろう?


果実に近づく俺、よく見れば「あれ」


「今よ、みんな捕まえて」

「「ハイハイ」」


「お前ムグムグー」

「静かにして、誰か来るでしょう、では攫って何処かでもらいましょう」

不味い俺の命が狙われた、千さん〜。


「ふふ、旦那様手を振っている、やっぱり何も無かったのね、さて私ものんびりと」

千さんは、アイマスクで視界を遮る。


「よしよし早く此処から離れて、子作りをしないとね」

「追っ手が来る前に、種をもらわないと!」

「そうよ、追ってもだけど、同胞も心配ね」

「お祖母様やお母様は、もお出産に興味無いけど、妹達が来たら取られちゃうから、その前に貰いましょう」


俺の周りを大きなスライムが囲っている、鼻は塞がれていないので息は出来る。

ただ口が何かに塞がれて声を出せない!参ったな。


「何処まで行く」

「この先に洞窟が無かったかな?」

「もっと右の方だと思うよ」

「なら右に進行」

段々と速度が上がって行く。


∧( 'Θ' )∧∧( 'Θ' )∧∧( 'Θ' )∧∧( 'Θ' )∧∧( 'Θ' )∧∧( 'Θ' )∧∧( 'Θ' )∧


洞窟に連れ込まれた。


「口を塞いだ手を離すけど、大声で助けは呼ばないで下さい王様」

王様って誰?


「私達は貴方様の忠実なしもべのスライムプリンセスです、よろしくね」

君達はスライムプリンセス?


「初めまして王様、これから楽しい世界に行きましょうねフフフ」

遂に食われて消化されるのか!


目の前に透明で、女の子の形をしたスライムが3体、頭にリボンを付けている。


「お前達の目的は何だ! 俺を殺すつもりなら戦うぞ」

俺は手を3体の前に突き出す。


「もう、積極的なんだから王様は!」

「そおよ、王様とは戦わないわよ」

「うん、ちょっと気持ちよくして子種を貰うだけだからね!」


スライムに子種ってなんだよ、俺は人族だよ一応は!


「王様、不思議な顔をなさらないで、私達は何度も言いますけど危害は絶対に与えません」

「同じく私も誓います」

「はい私も誓います」

安全は確保したみたいだ、後はコイツらの目的の子種って何だ?


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「何故此奴らは此処で寝ているんだ? 旦那様は何処に居るの?」

門を出て来た王族一同、テントやサマーベットでアイマスクをして寝ている4人を見つける。


「メイド副総長、アイツらを起こせ、旦那様の行く先を聞く」

王妃様に言われてメイド副総長は、まず千さんを起こす。


残りのメイド達が、カオリさんと黒と白を起こしに行った。


「おはようメイド副総長さん、何か様ですか?」

メイド副総長は視線で王妃様の方を向く、それに気づいた千さんは慌てて膝をつき、頭を下げている。


他のメイド達に起こされた3人も、千さんの後ろに並ぶ。


「聞くけど、旦那様は何処に居るの」

4人はキョロキョロと周りを見渡す、千さんだけは木の方を見ている。




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