第91話 貝巻さんが!

二人と一緒に話をしながら、秋葉原ダンジョン入り口に向かう。


「上級ダンジョンには行ったことがあるんですか?」

俺の質問に専務さんは答えてくれる。


「えぇ何組かのシルバーランカーのパーティーと一緒に、ここから日比谷線のメトロダンジョンに潜り上野を目指しましたが、御徒町でどうにか出口を見つけて地上にでましたよ。

魔物の数と能力が全然違いました、怪我だけで出られて死人はいません!ただドロップ品も何も拾えませんでした、苦い経験です」


現役のシルバーランカーでも、わずかな時間で撤退するんんだ上級ダンジョンは!


「それともし入ってしまったら、同じ出口からは出られません。

メトロダンジョンでは、隣の駅ですね。上野ダンジョンは広いので別の出口から出られます、洞窟型のダンジョンは最終ボスを倒せば強制的に外の入り口に出れるそうです」

兄が言うと妹さんも参加してくる。


「五年前に、世界の覚醒者を含む10名でアメリカのダンジョンを攻略した時が唯一の例です、その後は何処も攻略情報は有りません!

何故なら誰も洞窟型のダンジョンからは帰って来ないので、行方不明の方は増えてますがね」


「それと覚醒者の方々も、二度と洞窟型のダンジョンを攻略しないと宣言しました、それ程に危険なダンジョンという事で洞窟ダンジョンは、最上級ダンジョン又はS級ダンジョンと呼ばれています」


上級の上が有るんだダンジョンは、全然情報を調べる暇が無いんで、今度はみんなに調べて貰っておこう。


「さて入り口に近づきました、装備の再確認をお願いします」

ダンジョン庁テントの前には朝だから人が溢れている、みんなこれから潜る様だな、そんな光景を見ていると誰かが走って近づいてくる。


「サダ様、昨日は大変失礼しました」

東京支部長が俺達の前にジャンピング土下座で謝ってくる、流石にこの光景には周りに人が集まりみんなの注目を浴びてしまう。


俺は慌てて東京支部長を立ち上がらせる。

「ちょっと立ってください、謝罪を受け取りますのでお願いします」


「イエ昨晩奏凪と中立に話を伺い、反省しております。本当にすいませんでした」

どうしたら良いんだ、俺はダンジョンに行きたいだけなのに?周りを見て

二人と目が合い助けを求める。


「えぇと貝巻のおじさんは直ぐに立ち上がってください、サダ様にご迷惑を掛けています」

「そうです、とりあえず立ち上がって話をしましょう、さあさあ」

二人して貝巻さんを両方から持ち上げて立たせてくれる。


「本当にすまなかった、昨晩奏凪と中立によく事情を聞いて俺は何で愚かな発言をしたかとはんせいしたんだ、もし会えたなら謝罪をしないといけないと思ったら、この様な行動をしてしまったすまん」


また頭を下げる貝巻さん、そろそろやめて欲しい。


「サダ様、もう行きましょう、時間は早い方が沢山探索出来ます。

それに結構秋葉原ダンジョンは広いですからね」

その言葉を聞いた貝巻さんが言ってくる。


「秋葉原ダンジョンに行くのか、なら護衛を付けようすぐ言ってくる」

貝巻さんはテントに戻り何人かに指示を出している、ただ揉めているな?


「サダ様、貝巻さんの胸のバッチ見ました初心者マークでしたよ」

そんなの見てないよ、確かに見てみると若葉マークが胸にある。


「東京支部長が若葉マークって初心者の職員て言う事?」

「はい、降格処分ですからね、今の聞かなかった事にしてください」

妹さんは舌を出して微笑んでくる、上から下に降格て大変だな。


そして何故か自分が着替えて外に来る貝巻さん。


「全く誰も協力しようとしない、急遽私が同行させてもらうよろしいか?」

俺は二人を見る、頷いているから大丈夫なんだろう。


「分かりましたお願いします、では行きましょう」

二度目の秋葉原ダンジョンアタックが始まる。








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