第30話 賠償の話は進む!
「権利と補償とは、何の話だ和久井君!」
官房庁の楠木さんが言うと和久井さんは立ち上がる。
「電気をつけてくれ、カーテンも開けてな!」
和久井さんの声で私はスイッチを押す、電気が付きカーテンが開く。
「まずは冒険者の権利の話です、約12年前に世界にダンジョンが認知いえ、出来てから右往左往ありましたが、法整備も進みダンジョンの攻略も始まりました。
ただ、若者の参加が少なく、中年の冒険者が増えていますが行方不明者も数多くいます。
若者をもっとダンジョンに目を向かせたいと、出来たのがダンジョン庁です」
和久井さんが言ったらダンジョン庁の奏凪長官が立ち上がり頭を下げる。
「さてなぜ増えないのか? 未来のビジョンと言うか、先行きが見えません、お金が稼げないんですね。
魔石を売っても大した収入にならないからです、楽しさが無いのも原因です。
しかし、此処で一つの光が我らダンジョン庁にもたらされたんですよ、このゴールドスライムの金塊に寄ってです!
良いですか、六つ目の金塊は7.5k今の相場で、七千五百万円ですただし税金が引かれますがね」
国税庁の日向さんが、睨んだ後笑顔になる。
「税金忘れてませんよ日向さん。そこで問題の七個目です。推定10キロの金塊が出たと仮定します、一億円です、税金を引いても八千万円それが毎日出るとしたらどうします、みんな血相を変えてダンジョンアタックしてきますよね、そして午後から夕方からでもチャンスは平等にある、午前中に出れば午後夕方はさらに多くの大きい金塊が出て来る!みんなダンジョンに潜るそして冒険者は増えていく。
その他にもドロップで武器や防具、わからない多角形の箱、そして極め付けは魔法も使える種!ダンジョン限定ですけどね。
そんな冒険者の未来を、防衛省の警備員が阻止して邪魔をした。
さあどうします貴方が冒険者だったら」
和久井さんは楠木さんを指差す。
「まあ、面白く無いな、一億円を取る寸前で邪魔されてはね」
何人かが頷く。
「そうです、ダンジョンの法律や規定では、決して時間内は冒険者の行動を邪魔してはならないと!
特に初心者ダンジョンでは、危険のない時はと有ります、危険とは、イレギュラーの魔物が出た時や、喧嘩暴動が起きた時と決まってます。
それもサイレンが鳴った時のみ対応するよう警備員規定が有ります、しかし今回はサイレンもなってないし、イレギュラーでも無いゴールドスライムです。
さてこの愚かな警備員の行為をどうしますか、未来ある若者の行動を時間内に止めた警備員達を、邪魔された彼の心情を、アレから彼はダンジョンに現れていませんよ。柳生さん!」
和久井さんに言われて、防衛省の柳生さんが立ち上がり頭を下げた。
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