第31話 シルバーからゴールドにアップ!

防衛省の柳生さんは頭を上げて発言する。


「今回の事については警備員が全面的に悪い、ワシの方から正式にその被害にあった冒険者には謝罪する。賠償金も規定通りに出す事にする」


「ほう柳生さんは規定を知っているんですか」

和久井さんは柳生さんに質問する。


「あゝ初期の頃にダンジョンに潜ったその時に、冒険者の規定は熟視している。

確か十倍だな、十億円払おうその冒険者に辞められては困るからな」


「どうしてまで肩を持ってくれるんです」


「若い隊員の指揮を上げるためだ、新しく現れた上級ダンジョンの奥に進むにはやはり何か無いと士気が下がる、たとえ自衛官でも報酬をやらなくては士気が下がるのでね」


「ならばもお一つお願いします、彼が死なないように上級ダンジョン産の防具と武器を下さい」


考える柳生さんは日向さんに聞く。


「国税はどうなりますか? 日向さん」


「国家賠償金ならお金も品物も無税です」


「では、税金分上乗せの武器防具を送ろう」


「ありがとうございます、ならダンジョン庁も同じ金額の賠償金を彼に送ります、それと日向さん、そこにある六個の金塊無税に出来ますか?」


和久井さんは、日向さんに意地悪な質問をする。


全く、ずるいわよダンジョン庁はね、税金払う気あるのかしら、でも答えないとね。


「原因の事なので、無税にします、後で書類を送って下さい、決算しておきます」


「ありがとうございます日向さん、彼をどうにかやる気にさせます、そして税金を沢山納めさせますよ」


「なら後はもう少し賠償金が欲しいな、警視庁、埼玉県警どうだろう」


二人共よそを向く

「まあ仕方ない、関係のない部署に賠償は無いな」


「何故賠償金を求めているんだ、奏凪さんは?」

楠木さんが質問する。


「いや〜、賠償金ならランクアップの金額に加算できる、一千万で見習い卒業、一億でブロンズクラス、十億でシルバーランク! そして三十億円でゴールドランク、

昔冒険者同士で魔物の取り合いで揉めるとギルドで調停に入って片方の金額を没収相手に渡した賠償金をランクアップに利用させている、今回も賠償金なので対象だ」


「そういう規定があるんだな、ただ官房庁には金は無い、災害やコロナで金は無いぞ!」


「そうか、諦めるか後九億円なのに」


すると扉が開き、総理大臣が入ってくる。


「悪いね、色々あって今になった、会議は終わってしまったか?」

楠木さんが立ち上がり、すぐに総理大臣の側で説明する。


楠木さんが、怒ったり驚いたりしている。


「奏凪さん、表彰も賠償金と同じで加算対象だったな」

奏凪さんは首を捻ると、八木さんが助け舟を出す。


「長官、表彰の懸賞金は加算対象です、特に冒険者で表彰されれば全額対象ですよ」

「そうなのか、楠木さん対象になりますね」


「総理対象だそうです、でも国民栄誉賞でも五千万円位ですよ!」


「適度に金額を一億円副賞を八億の物を渡せば良いだろう」

「ですが、メディアに叩かれますよ」


「総理」

今度は柳生さんが立ち上がる。


「我が省で彼に渡す武器の査定を高額にしましょう、それなら規定に接触しませんでしょう、無税確定ですしね」

日向さんが首をおかしな方向に振っている。


「ほらみろ、品物で誤魔化してやれば良いんだよ、楠木君」


此処に最短2週間でゴールドランカーが生まれる、ただ仮の称号付きだ。


その場で決まった俺の専属受付嬢八木さんが、ゴールドランクと認めると仮が取れるという。












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