ゆるゆるダンジョン攻略記

川向こうのジェロ吉さん

第1話 先ずは登録から

新米冒険者編

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十数年前から地球各地に現れたダンジョン。

人は言う『ゆるゆるダンジョン』だと!


死人が出るのはイレギュラーの魔物が大量に現れた時だけだし、ほとんどのダンジョンは怪我はするが命は奪われないと思っている。


年間の死者は両手で数える程、ただし一攫千金も狙えないと来る。

そして死人が出ないが隠された行方不明者の数が数十万人いる。


上手くいけば時給が世間相場より良くなるだけ、金の鉱脈で砂金を見つけるのと確率は変わらないダンジョンだ!


今日4月2日俺もやっと十五歳になり登録して冒険者の仲間入りする為に、朝から国の出先機関で登録を行う為に、二四時間開いている市内の建物にやって来た。


電光掲示板の指示に従い、受付の女の人の元にいく。


「はいこんにちは、今日は新規登録、それとも更新?」

「新規登録です、よろしくお願いします」


俺は顔写真の付いた登録申請書を出す。


「はい預かります、不備が無ければ三十分位で発行されるからこの番号札を持って待っていてね」


そう言って女の人は札をくれる。

俺はその前から離れて並んでるソファーに座って、順番をまた待っている。


周りを見ると俺と同じに、春休みを利用して登録する若い奴らが話しながら座っている。

俺は姉とチームを組むので、一人で待っているだけだ。


一時間前の家で寝ていると起こされた。

「アナタも十五歳、冒険者登録して来なさい、ウチの家計の為に冒険者になって稼ぎなさい! 上手く行けば年間のアルバイト代位だと3ヶ月で稼げるからね」

朝早く、母から言われた言葉だ。


「早々私が一緒にダンジョンに言って、上前跳ねるから・・・違った手伝ってあげるからね」

コイツが情報元かよ。


「姉ちゃん本音漏れ漏れだぞ、でも面倒くせーな働くなんてね、母さん本当に稼がないと行けないの?」


「まあ小遣いを多く欲しいなら働きなさい、稼いだ分は貴方のお小遣いにして良いからね」

「よし登録して来な、お母さんの許可も出たしね、帰ったらその辺のダンジョンに潜ってみよう! 早く行って来なよ」


姉に蹴られて家からだされて、此処にいる訳の俺。

電光掲示板に俺の番号が現れ、俺は発行窓口に並ぶ、朝早いので人数がいない、すぐに順番が回ってくる。


「ええと百四十五番です」

俺は札を出す。


「はい百四十五番ね、え〜とこれね確認してくれる」


顔写真と生年月日の年齢に住所。

「合ってます」

「はい合っていたらこの教本を持って上で講習よ、入って満員になるか1時間待てば講習が始まるからね」


俺は免許証と教本を持って上に行く、教室は教官が手招きして呼んでくれる。


「君早く来てくれ、始めるぞ」

入り口で免許証を渡して、俺が入るとドアが閉まり教官が説明を始める。


二時間後講習が無事終わり、免許証を受け取り教室の外に出る。


俺も今日から冒険者(仮)だ!

(仮)が取れる条件は半年生き残るか、一千万稼ぐかだ!


そして俺は近所の二四時間開いているホームセンターで金属バットと脛当てと肘当て、そしてヘルメットを買って家に帰る。


迎えた姉が笑っている。


「ハハハもう本格的に装備を揃えたんだ、だけど初心者ダンジョンだとバットぐらいしか要らないぞ、まあ付けたければ付けて行くぞ」


そう言って姉は玄関を出て車の前で俺を呼んでいる。


「近所のショッピングモール跡地に行くよ、あそこが初心者ダンジョンの練習場所だからね」


二十年前に出来た日本一敷地面積が多いショッピングモール、ダンジョンになった為廃墟になってしまった。


「入場料千円は、冒険者祝いに私が奢ってあげる、ただし金色のスライムの落とした物は、今日は私に貢ぎなさい良いわね!」


「よく分からないけど良いよ、契約成立ね」

ゴールドスライム、中の魔石が金塊になり今の相場ならどんなに小さくても十万円は行く、ただ確率は宝くじ並みだとさっきの教習で言っていた。


俺達を乗せた車はショッピングモールの入り口に着く。


「あれ下の出口付近は満車かよ、どおする下の方が良いか、入り口近くの上の方が良いか?」


「取り敢えず上でお願いします」


ショッピングモールの坂道を屋上目指して上がって行く。











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