第156話 決着!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
何で広場に兄と旦那様が居るの?それに決闘って何よ?
「不味いわね、見なさい貴女が不要な事を言うから、現実になってしまったわよ」
娘に反省を促す為に、少しオーバーに言う側妃様。
「えっ旦那様に死んでしまえと言ったこと、何でお兄様が知っているんですか?」
「さっき言ったでしょう、誰かが聞いて動くってね!これがその最初よ、王族はどんな時でも、不用意な発言はしてはいけません」
そんな兄と旦那様が戦うなんて、どちらかを失うの。
「側妃様、王妃様より伝言です」
王妃に呼ばれたメイドさんが側妃様に言付けを言う。
「決闘を止めて当事者全員を会議が始まるまで、謁見の間で正座で座らせておけと」
メイドの言葉に、側妃様は頷く。
「この中なら私しかいないか、仕方がない止めに行くか、全く世話が焼ける息子達ね」
側妃様は、広場に歩み出す。
「お母様お願いよ、止めて」
王女様が祈るが、開始の石は千様の手を離れた。
「不味いわね、開始が早すぎるあの石止まってよ」
早歩きで止めに行く側妃様、残念な事に決闘は始まってしまった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
石が地面に着いた瞬間、王子様は詠唱を唱え始める。
「我の手元に集まれ」
俺は一瞬で王子様の側に行き、ハリセンで頭を思い切り叩く!
音はするけど痛みは無いはず、ただ思い切り叩くのは、カオリさんを人質にしたお礼!
「パァーン」
王子様の詠唱が止まり、魔法は不発そして俺の勝利が確定して、決闘は決着した。
「それまでよ、勝者は私の旦那様キャー旦那様だってまた言っちゃった」
千の周りのみんなは呆れている、そして痛く無いのに王子様はうずくまっている。
俺は近寄り声をかける。
「俺の勝ちでいいですよね、王子様!」
それでもうずくまる、王子様。
「旦那様、それは魔力が体内で悪い方に巡回しているのです、大きい魔法を撃とうとする程にね。
外に撃てない魔力は体から出ようとします、そして体の中から外に出ようともがいてますので、取り除くか、自分で外に撃つかですね」
魔法って結構怖い物なんだな、俺の無詠唱はどんな事になるんだ?
「私が治療しますので、少しお待ちください」
千は王子様の胸あたりに手を当てて、何かを唱えている。
「全くどんな魔法を撃つ気だったのよ、中々抜けないわよ。
旦那様、よろしいですか私と手を繋いで下さい」
千と手を繋ぐと、何かが流れてくる。
「分かりますか?それが魔力です!そしてこの方法で旦那様の魔力がまた増えますので、後でステータスを見といて下さい、メイド副総長の前はダメですよ」
千にアドバイスをもらい、俺は手を離す。
「よしこれで大丈夫でしょう、その内に目が覚めますよ」
王子様は先程と違って、平穏な息になっている。
良かったよ自分の魔力とはいえ、決闘の最中だと俺にも責任がある。
「捕まえた」
俺はいきなり肩を掴まれた、捕まえたって何?俺は後ろを振り向く。
そこには側妃様がいた。
「全く少し目を離すととんでもない事をしている息子達ね、ちゃんとあの子を監視に付けておかないとね、そして連行します、貴女と貴女達も一緒に来なさい、騎士達この子を謁見の間に放り込んで置いて、逃げないように監視して会議までね」
王子様は騎士達に連れて行かれる。
俺達は側妃様の背後をついて行く。
途中で会った第3王女様も一緒に行くようだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます