第10話 匂い!

風呂に入ってメチャクチャ体全体を洗う。


風呂を出てみんなが居るリビングに行く。


「どうだ、もう匂いしないだろう?」

俺は腰に手を置いて皆んなに聞く。


「まあね」

「大丈夫かな」

「ご飯食べる」


「食べるよ、それで母さんはどうなの?」

「大丈夫よ、冷めたから温めるわね」

母は食堂に、姉と妹は俺を見ている。


「どうしたの二人とも?」


「まあまあ座りなさいよマサシ、今日の結果を聞こうと思ってさ」

「早々どうだった今日の成果はお兄ちゃん」


「うーんそこそこの稼ぎだったよ」

言えない日給一万円は超えたことなど。


「へー二、三千円にはなったんだ」

姉が探りを入れて来る、ここは誤魔化さないと。


「まあまあ平均時給の百円プラスかな」

「そっか、移動も入れても三千円ぐらいね」

よし騙されたぞ、フフフ。


「アンタ今笑った?」

「笑ってないよ笑ってない」

俺は手を振る。


「私も笑った様に思う」

妹よそんな所は見てないでいいんだよ。


「ハイハイ夕飯食べなさい、食べたら流しに置いといて母さんお風呂に行くからね」

「はーいいただきます」


姉妹は二人でヒソヒソ話、俺は黙々と夕飯を食べる。

食べ終わって食器を片付けて自分の部屋に行こうとすると、呼び止められるが無視して部屋に行く。


「さあ明日も頑張るぞ」


翌日は朝食を食べている時に、箱を姉に渡される。

「これを持って行きなさい、出口を出たら体にかける様に」


箱の裏側を見ると、渡されたのは消臭スプレー。

「何でこんな物をかけるんだよ?」


「受付嬢さん達に気遣いよ、アンタあんな匂いだと嫌われるよ、受付嬢さん達に嫌われると査定で金額が落とされたり、最悪買い取り拒否されるからね」


「そんな事あるの?」

「あるわよ、冒険者も身だしなみが大切なのよ、まして初心者なら尚更だからね!」


「分かりました、出口でかけてから受付に行きます」


「全く手間のかかる弟ね」

銭ゲバには言われたく無い。


「何か言った?」

「いえ、行ってきます」

俺は慌てて玄関を出て学校に、そお言えば妹が出てこなかったな。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「行ったお姉ちゃん」

「行ったわよ、珍しいわね一緒に行かないなんて?」


妹は鼻をつかみながら言う。

「だってアレよあれ、朝から匂うから私無理よ!」

「そうだけど、なんであんなに匂うのかしら? あのダンジョンは二階でスライムを退治して稼ぐのが初心者に推奨されているんだけどね」


「何かゾンビに恨みでもあったか、噛みつかれたんじゃ無いの」

「その時に抱きつかれたのか、ファーストキッスがスライムで初抱きつかれがゾンビてどれだけ魔物に愛されてるの」


「何々ファーストキッスがスライムて?」

「フフフあのね・・・」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「おはよう昨日はどうだった」

「おはよう無事一人でダンジョン行けたよ、そして帰って来られた」


「そうかよかった、それよりも朝シャワー浴びてきたか?」

「何でそんな事聞くんだ?」


「お前匂う!」

「おはクサ」

「おはよう、何の匂いだゴミの匂い」

後から合流した二人を合わせて三人に注目される。


「いやー昨日ゾンビを少し多く退治したんだよ」

目が点になる三人。


「お前ショッピングモールのダンジョンだろう、何故二階でスライム倒さないんだ?」

「「早々」」


「三人とも何でそんな事言うの?」


「あれからパソコンで調べたら、アソコの攻略方法は二階でスライムだぞ」

「俺も調べたら書いてあったよ」

「ブログとかにも書いてあった、ゾンビと会ったら遠巻きで逃げろって」


みんな調べてくれたんだ、でも何も言われてないぞ?


「お前、もう一度家でシャワー浴びてから来いよ、女子に嫌われるぞ」

そんな事を言われても、ならこれだと俺は姉にもらった消臭スプレーを出す。


「これをかければいいだろう」

シューと全身にかける。


「クンクンまあさっきよりはマシだな」

「そうだな」

「合格80%だな」


どうにか俺は学校に入れる様だ。


放課後はダンジョンに行く前に、消臭スプレーとシャンプーを買ってから行こう!















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