第22話 記録の六体目!

時計が鳴る、止める事も出来ない。


「ほらマサシ夕飯食べなさい、起きなさい」

「あゝ、今起きるよ」

俺はのそのそとベッドから起き上がる。


「ダンジョン帰りは少し臭いから、布団の上はやめといたら!お風呂入ってから寝る時に匂いで起きるわよ」


人間は匂いで起きるだろうか? 試したく無いが今日の夜は試練だな。

リビングに行くと二人がいる、すぐに消臭スプレーがかけられる。

「臭いマサシ、帰ったらすぐ風呂入れよ」

「お兄ちゃん、お風呂入ってから寝てね」


二人の言葉を聞きながら俺は飯を食う。

「忘れ物した、ダンジョン行ってくる」

「えぇ明日でもいいでしょう?」

「明日学校だから今取ってくる」


俺は玄関を出て自転車でダンジョンに行く。

駐輪場に自転車を止めてテントに行く。


「こんばんわチーフさんはいます」

「あゝ今夕飯食べているわよ、私でも良ければお渡しするけどねどうする?」


「金額が変わらないなら、お願い出来ますか! 家に帰って早く休みたいので」

「じゃあ待ってて持ってくるわよ」


受付嬢は後ろに行きトレーを持って来てくれる。

「はいお待たせ、金額が低い順に上にあるからね、一番下は最後のお楽しみね」

俺はまず上を見る、3万円位だな、次が4番目のゴールドスライムか。

おお二千四百万円、3kあったのか。


最後は、え!俺は思考が止まった。

「サダさんサダさん通しました?」

「いえ、思わず0を数えて止まっちゃいました、御免なさい」


「確認していただきありがとうございます、預金に入れて有りますので後で通帳を確認してください」

「聞いていいですか、これでランクは上がりますか?」


「ランク、あゝブロンズからシルバーね! 惜しいけど税金を抜いた金額を足した合計なので、足りないのよ、また頑張ってね」

「お姉さんお名前は?」


「あら新手のナンパなの、名前は安達よ」

「なら安達さん、俺少し潜って来ます、時間はまだ有りますよね!」


「えぇ、二十四時まで大丈夫よ、会計で少し帰りは遅くなるけどね」


俺は時計を見る、九時少し前、よし行くか!

「ではまた」


俺は屋上に上がって行く、入れ違いで出てくるチーフさん。

「あれ今サダ様来なかった?」

「行っちゃいました、六匹目を探しに」


呆れるチーフさんに安達さんは、さっき行った事を思い出す。

「嘘、本当に行ったの?」

「はぁいフラッグ立てましたからね、チーフがね!」

「嘘もしかして何か合ったら、私が犯人になるの」

「はぁい」

安達さんは笑顔でチーフに返答していた。


俺は今屋上の入り口で消臭スプレーを体にかけている。


「全部三階で見つけた、恐らくは三階に六匹目も確実に現れる。

今日でシルバーになってやる」

勝手な予想で気合いを入れて、入り口に入りエスカレーターで下に降りる。


此処に三匹いたんだよな、後は映画館にいたんだよな。

最後の一匹は魔石を食べていたな、此処まで来たら最後の賭けに出るか、ゾンビの魔石は拾わず放置して、スライムに食べさせる。

ゴールドスライムが掛かれば俺の勝ちだ。


そして兎に角ゾンビを消毒液で溶かして行く、蹴飛ばして一箇所に集める。

これで餌は出来た、後はスライムが来るかどうかだな。


一時間、スライム来るがゴールド無し、その間にもゾンビが来たら霧吹き機で消毒液をかける、兎に角集めてスライムも集まってくる。


二十三時三十分、もうすぐ終了時間が来る。


二十三時四十五分、目の前に遂に奴が現れた。


来たよゴールドスライム、三k以上ならシルバー級昇級確定、ただ倒さないとな。

後ろから近づき、バットを振る。


緊張したのか、空振り気付かれる。


すかさず二振り目パーンと弾ける、金塊が現れる。

「よーしやった、金塊が出た」

俺は拾って確認する、999.9刻印あり

俺は腰袋に入れてエスカレーターに向かう、すると五分前の放送が流れる。


「ギリギリだったな、でもこれを持っていけば、シルバー級確定だ。

二階から一階にエスカレーターで降りる、ふとフードコーナーの方を見る。


入り口ガードマンがまだ立っている、思わず手を振る、あちらも手を振ってくる。


その時に気がついた!なんだあの奥に輝く物は!
















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