第96話 吊り橋効果?

カオリさんが段々と、俺に可笑しな感情を発揮して来る。


とにかく二人とも無事に、此処から脱出しないと!


結構な距離を歩いた気がするが、時計は三十分程経過している。


バッファローの後はスライムが何匹か出ただけで、特別強い魔物は出て来てない。


「もう隣の駅に来ている筈なのに、駅の出口が見えない」

所々で壁を叩いたりしていたが、反応は無し。


「サダ様、お願いが有ります聞いてください」

「ええどうぞ」


(トイレどうすれば)

小声で聞き取れなかった。


「何ですか、大きい声でもお一度言ってください?」

カオリさんは顔を赤て言ってくる。


「2度乙女に言わせないで、トイレをどうにかして下さい、さっきの水で少しお腹が張って来ました!」


あゝトイレか、さてどうしよう、異世界なら土魔法で作れるけど此処は現代、そんな魔法は無い。


「少し待ってください」

俺はアイテムBOXを漁る、出て来たのは簡易テントと携帯トイレと音姫。


「では此処に設置します、トイレはこれね音姫も付けて最後には粉を撒いてください、終わったら回収します」


俺は少し離れる、慌てて駆け込むカオリさん。


音姫の音楽が流れて少しして、何かの音?俺は使ったこと無いけど何だろー?


簡易テントから出て来たカオリさんは、後ろに何かを持っている。

「ええと、テントとかしまってください」

何かを隠しながら俺の後ろに行く、俺は簡易テントとトイレをアイテムBOXにしまいカオリさんの方を向く。


「何を隠しているんです?」

俺が言った瞬間、何かを反対側に投げる。


「そーれ………よしサダ様先に行きましょう!」

俺が落ちた先を見ていると、手を引っ張り先に進む。


「乙女の秘密を何時迄も見ていないで!それと今度簡易トイレを出したらビニール袋の設置をお願いします」

あゝ捨てたのはあれね、乙女の秘密ってねプププ!


「何を笑っているんですか! 気おつけて歩かないと魔物に不意打ちを喰らいますよ」

「ハイハイ、気おつけて歩きます、壁に変化がある所は教えてください」

しかし歩いていてトンネルがあまり変化しない事に気づく?


「カオリさん、つくばエクスプレスの駅って確か真ん中ホームでしたよね?歩いて気づいたのですが、その様な構造物が有りませんよね」

カオリさんに言うと考えている、ホームを見つけなければ階段は無いはず。


「そうですね真ん中に構造物はありませんでした………確かに変ですね地上から降りると各駅にホームは有りますよ?」

なら脱出用出口は何処なんだ、歩いていれば何かがある筈だよな?


「サダ様、前から何か来ました、隠れましょう」

カオリさんが何かの変化を気づいたのか、ライトを消して柱の奥に隠れる。


あれは死神2体だな、その後ろは光てる2m位の犬?狼?が七匹いる。

さてどうするかと考えていると、また後ろを振り向いて暗闇に戻って行く。


「カオリさん、どうします追いますか?」

「サダ様あれを倒す事は出来ますか?」


俺は考える、バッファローとの戦いで魔法の指輪の貯蓄MPを1/3は使った。

今度の数は倍近い、まだ出口を見つけて無いし魔法は温存したい。


「死神は、どうにかなりますが、あの犬と言うか狼ですか何処に魔石が有るか分かります?」

「恐らくは、心臓あたりでしょう、顔を破壊するか首を落としてから破壊しないといけませんね、でも死神はどうにかなるんですか?」

「恐らくは、大丈夫でしょう、さっき骨の間に魔石が見えましたから!」


幕張メッセダンジョンで倒した死神と同じで、マントの影から赤い魔石が見えた。

強さは分からないが、どうにかなるだろう。


「では、進んで行きましょう、恐らくは隠れていて突然出て来るかもしれませんから、警戒して進みましょうね」


少し進むと、死神二体が出て来た、俺達は身構える。

だが狼二頭が死神の間から飛び出して俺に飛び掛かろうとした。


貫通で一匹を止めるがまだ生きている、カオリさんは一刀両断で一匹を仕留めた。


「サダ様追撃して下さい、まだ来ますよ」

ただ俺は狼よりも、死神を警戒している!









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