第118話 日本一は危険度も一番!

怯える二人が俺の後ろに隠れると、妹達が下に降りてくる。


「お兄ちゃん何んで後ろに匿っているの、その二人を引き渡しなさいね、そのコスプレを真似たいのよ!貸して脱がして構造が知りたいのよ」

妹よいつからコスプレーヤーになったんだ? 確かにモデルポーズしてたけど。


「待て待て彼女達はお客さんだぞ、それは許可できないよヒデミ」

「なら良いよ、此処で観察している」

妹達は食堂で座って見ているようだ、妹が動くたびに俺の周りを回るな黒と白。


「姉さん母さん、ヒデミは何をやっているんだ?」

俺は二人に聞く。


「なんかテレビのオーデションで歌うんだって、衣装を決めていたみたいよ。

どうせ落ちるのに、後二年で冒険者になるからそれまでの息抜きね」

「私は冒険者になるのは反対だけどね、あなた達みたいになるのは心配だから、だってこの状況て何よ、お父さんの全盛期みたいな感じ、女の子だらけって!」


確かに女子率が上がってますね、父さんの全盛期て何?


「親父の全盛期て何の事、冒険者で行方不明は知っているけど?」


「そうよね知らないことばかりね、他の人もいるけど貴方が成人になったら言おうと思っていたけど、この状態ならいつでも良いかもね」


母は、親父の行方不明になる前の事を話し始めた。


二人は大学在学中に姉を妊娠出産二人でバイトして生活していたが卒業後に親父は商社に入り海外赴任した。

その頃海外ではもうダンジョンが現れ始めていたらしい。


ただどの国も機密情報で、中々ダンジョンの情報が流れてこない。


日本でダンジョンがあるとの発表は12年前で、その前は適当に自衛隊や警察の特殊部隊が、潜って情報を集めていたそうだ。


親父は海外に行っていたので、その手の情報を集めやすくて、いつの間にか冒険者宣言。


大学の仲間や商社の時の部下達を集めて、まだ規制のないダンジョンを潜っては、かなりのお宝をゲットしていたそうだ。


そして、ヒデミが生まれた年に行方不明となった。


母は何処かの女との逃避行と思ったが、ダンジョンに入った記録が有ったため行方不明者として処理したみたいだ、一緒にいなくなったのは他の男一人に女性が十人だった。


「そんなに一緒に行方不明者になったの?」

「他のパーティーもいたから、もっと多くの方が居なくなったかも知れないね、

入り口は至る所にあったから、ダンジョンの中では合同パーティーだったかも!」

そんな恐ろしいダンジョンが日本にあるんだ。


「そこって何処の場所なの?」

「富士山五合目洞窟ダンジョン!当時は帰れる洞窟ダンジョンだったけど、いつの間にか帰れなくなった曰く付きのダンジョンなのよ」

富士山の中腹か、いつの間にか富士山は登っちゃ駄目になったからな。


「ええ今は上級の二個上でSS級のダンジョン、日本一危険なダンジョンになっていますね」

八木さんが言うとカオリさんも情報をくれる。


「父が言ってました、富士のダンジョンが日本で一番武器や防具の出たダンジョンだって、此処の道具でブルードラゴンを起こして日本一にしたって!」


夢のあるダンジョンだけれども、今は外に戻れないのか?





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