第119話 スライムは害虫!

何かを気がついたのか、黒が話を俺にして来る。


「旦那様、武器や道具は、スライムを倒して体内に隠してある物が出て来るんだよ、スライムは我らの家や屋敷に潜り込んでは、外に持ち出した盗品を体内に隠して少しずつ溶かして消化する、そして色が変わりまた透明になると各家に盗み入る害虫なんだよ」

スライムを黒がよく説明してくれる。


「そうよ! 他の魔石だって食べるから、新しい食糧や資材が生まれないのよ」

「アイツら一匹見たら百匹はいるわよ」

「お姉ちゃん千匹はいるわよ、見つけたら叩いて殺して魔石は砕かないとね」

そうかゴキブリと同じか、あれは資源にならないけれどスライムは資源になるよね。


「あのーお二人はスライムをよくご存知なんですか?」

八木さんは聞いて来る。


「アイツらか、我が故郷には腐るほどいる!人間とか動く動物は襲わんが食糧や魔石、武器や防具は平気で食べるぞ、見つけたら潰すのが一番だな」

「間違っても切ったら駄目よ、分裂するから」


切断すると分裂?

「早々その後は合体して襲って来る、飲み込まれたら泳いで魔石を潰すか、外から誰かに切るか潰して貰わないと」

「まあ、中に人がいない所を切って救助だな」

分裂合体スライム、王冠被っているのだろーか?


解説話が終わると、二人が偉そうに胸を張る。


「あの〜何でそんなに詳しいのですか?」

八木さんが更に、二人に聞いて来る。


「スライムの事か、我ら地底人じゃよ、スライムは我が故郷から生まれる」

「そおなのよ、最初は小さく透明だから分からないけど、食べて消化して段々大きくなったら叩いて潰すのよ、自分より大きい物は食べられないからね」

「草や木、石も食べるし排泄物も食べるんだよ、小さい時はトイレで飼うけどいつの間にか逃げ出すんだ!」

「トイレの掃除屋の癖に、大きくなると逃げて泥棒になるんだよね」


二人は胸を張っているが、みんなは思案顔。


「地底人ですか?」

「地底人ね!」

「地底人て何?」

「地底人………」

「「「「「えぇ地底人」」」」」


「そうじゃよ我らは地底人じゃよ、其方達の洞窟を潜った者が行っておった」

「そうよねお姉ちゃん」


みんなにバレた地底人て、どうすれば良いんだー!


八木さんが、俺の肩を掴み言ってくる。

「さあ行きますよ、支部で事情聴取です! あの二人にも来て頂きます」


また事情聴取かよ、それを避けるために嘘の情報を出していたのに、元の木阿弥かよ!


するとカオリさんが助け舟を出してくれる。


「八木さん、あの部屋で言いましたわよね、ダンジョン以外はサダ様を他には出さないって、あの約束を破るんですか!」

カオリさんは、かなり怒っているようだ、約束って何だろー?


「もう家と言う別な場所にいるけどね、でもねカオリさんこんな情報は何処にも無いのよ! 

まして地底人さんが、二人も居るなんて思わないじゃ無いの!」

八木さんはカオリさんを説得しようとするが、カオリさんの考えは俺の擁護だ。


「駄目です、サダ様は冒険者です、ダンジョン庁の職員でもまして初心者、いちいち対応する事はない筈です。

ダンジョン庁で調べれば済む事でしょう。

何でもかんでも機密情報で、秘匿で出さない情報ばっかりを囲っておいて、言っておきますが私はサダ様と冒険をして、剣技と言うものが発見出来て、この間は使用しました。

その後も新しい技も取得しましたよ、何も情報を出さない進ませないダンジョン庁には、絶対にサダ様を渡さないわよ!」


八木さんは、なおもカオリさんを説得してくる。


「でもこれだけの情報は中々無いのよ、日本いえ世界の注目を浴びるわよ!

そして担当の私も一緒にね」


「貴女はサダ様の幸せよりも、世界的に注目される方を選ぶのね、サダ様に会えなくてどうしようと思う心は、出世が掛かったレースで先頭を走る為よね遅れないた為の! ならば貴女になんかサダ様を渡さないわよ、今から逃げるわ二人して」

カオリさんが宣言する、俺の許可はどうなの?


「待ちなさい、そんなのダンジョン庁が許さないわよ!」

「フン止めれるものなら止めてみなさい、ブルードラゴンの全ての資産を叩いてでも、何処かのダンジョンに逃げ込むわよ、行きましょうサダ様」


カオリさんは俺の手を取り玄関に向かうが、インターホンが鳴る。


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