第120話 上司と保護者が来た!
インターホンが鳴った、一番近くの妹が画面を見た。
「この間のおじちゃん、先輩達と来た人よお兄ちゃん、あとは知らない人ね」
妹が言った後、俺は考えて思い出す。
先輩達って俺たちの事?ならばおじさんは一人しかいない。
「カオリさん、奏凪さんと誰かが一緒に来たみたいだ」
「奏凪のおじさん、ダンジョン長は非常線を解除したはずよ」
俺達が会話をしているのに、母さんが玄関ドアを開ける。
「おはようございます、宅は少々取り込み中ですがご用件は何ですか?」
「おはようございますサダ君のお母さん、この間来たマサシ君の同級生の父で奏凪です、一度こちらに来ましたよね」
奏凪さんが挨拶すると母は思い出した様だ。
「えぇ覚えてますけど、一緒に娘さんがいませんから要件を聞いているんですよ」
うーん龍虎かい、変な火花が飛んでるぞ。
「いえね当方ダンジョン庁に勤めてまして、部下がこちらにお邪魔して無いかと?」
「えぇお一人居ますがお連れしますか?」
すると奏凪さんの背後からまた誰かが言う。
「ウチは娘がいませんか、カオリって言います大学生ですけど」
中立さんが、奏凪さんの背後から聞いてくる。
「居ますよ親御さんなんですね、どうでしょう一度お上がり下さい」
「すいません俺も付き添いなんですが良いですか?」
貝巻さんが、やはり背後から言ってくる。
「狭いですけど上がって下さい、ナオコにヒデミ居間を片付けて、飲み物を用意して」
母さんは姉と妹に言って、みんなをリビングに集める。
全員では狭いが、みんなソファーや椅子に座る。
「まあまあお座り下さい、奏凪さんはダンジョン庁の人ですよね、何で冒険者は女性を周りに集めるのかしら? この子はこの間冒険者に成ったばかりなのに、毎週毎週女の子が家に集まるんですよいい意味でも悪い意味でもね」
母さんは、奏凪さんを見て質問をした。
「その質問には答えづらいです、男の冒険者も女の冒険者も周りには同性よりも、異性の方が多く居ますのでね、特に強くて稼げる冒険者ほど顕著です」
強い→魔物を倒す→金が稼げるの法則だね。
「ならこの子はどうなんですか?」
母さんが俺を見ると、奏凪さんが俺を見る。
「彼は初心者ですけど、近い将来日本で一番に注目を集める冒険者になるでしょう、娘が気に入れば嫁にあげたいですね」
その瞬間俺の腕をつねり、奏凪さんを睨むカオリさんがいる。
「奏凪のおじさま、サダ様は私の物です、メイちゃんには渡しませんよ!」
その発言に奏凪さんは驚き、隣の中立さんが立ち上がる。
「カオリ良いのか年下だぞ、よく考えろ確かに結婚すれば良いとは思うがな!」
何が良いのかわかりませんよ、俺は?
「ほら、毎週毎週女の子がマサシにあんな事を言って、冒険者てどうなんですかゴキブリホイホイですか、講習はその様な事を教えないんですか!」
母さんそれは絶対ないよ、絶対にね。
「まあまあお母さん、ちょっと私の部下と話をしてもよろしいですか?」
「えぇどうぞ、よく話して下さい」
何を奏凪さんは八木さんに言うのだろう?
「八木君ご苦労様、サダ君の情報はどうだ凄いのか?」
「はい長官、凄い情報です、特に隣の彼女達が」
奏凪さんは手で八木さんを止める。
「それ以上の報告は後で聞く、我々は一度支部に戻って協議をしよう。
このままではこちらの家に迷惑がかかる、撤退しよう」
「でも長官、このままでは」
「撤退だ、貝巻彼女を車に連れてってくれ、行き先は埼玉支部までな、先に二人で車に行ってくれ」
奏凪さんが言うと、貝巻さんが八木さんを連れて外に出る。
「さてマサシ君、少し話しても良いだろうか、少し昔の話をしよう」
奏凪さんは、真面目な顔で俺に語りかけてくる。
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