第37話 一体で二個!
現れた金塊を手で持ち上げる。
「良かった小さいけど二つある・・・なんで二つなんだ?」
分からない事がまた増えた、だって一撃しかバットは振っていない?
「まあ久しぶりにダンジョン潜ったから帰ろう」
俺は腰袋に、金塊を詰めて下に降りて行く、二階から一回を降りる時に思わずフードコートの横の通路奥を見てしまう。
先週ならアソコにゴールドスライムが居たのにな。
そして外に出てテントに行く、安達さんの前に向かうとVサインを出す。
その瞬間、全職員から歓声が上がる。
「やりましたねサダ様、では金塊をお願いします」
俺は袋から二個の金塊を出す、この瞬間安達さんが固まる。
「ええと、ゴールドスライムは退治して二体ですか? Vサインは二体の意味ですか? 討伐成功ではなく」
職員は沈黙する。
「安達さん、査定お願いします清算もですよ」
俺は安達さんに言う。
「みなさん査定して、カメラを確認三階は死角が多いけどサダ様は絶対にしないので足跡だけ確認して」
少しして、トレーが持ってこられる。
「査定清算しました、確認して下さい、それと一部攻略方法が写っていました、この部分はゴールドランカーの機密情報で秘匿だと伝えておきます、もし発表されるなら、かなりの情報料をお支払いします」
俺はトレーの精算書を見る一つは三百で税金取られて二百四十万円、もお一つは五百で税金取られて四百万円、合計六百四十万円。
「確認しました、これで帰りますありがとうございました、そうだ安達さん、ゴールドスライムの双子っています」
「ははぁーい」
何気に質問した俺の言葉に、驚いた返事をする安達さん。
「何か特別な事が起きたのですか、イレギュラーの魔物出ましたか?」
驚いた様子で質問する安達さん。
「違いますよ、この金塊は一匹から出て来たんです、そんな現象あるかと思ってね」
俺の答えに安達さんは慌て出す。
「あなた聞いた!サダ様が三階に入ってからの足跡を、もお一度チェックしてみて、ゴールドスライムが二匹いたかどうか確認しなさい」
安達さんは、背後の職員に指示する。
「サダ様、今日は遅いので明日の夕方にでもお越しください、チーフがいなければ私が対応します」
帰るように言われたので、俺は自転車で家路に着く。
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「まいった〜、なんなのよサダ様は、どれだけのラッキーボーイなのよ!」
久しぶりに来てくれたサダ様は、私達の心配を他所にゴールドスライムを退治してくれた。
それも一匹なので我々は喜んでいたのに、双子て何よ!ゴールドスライムが双子のわけあるわけ無いじゃ無い、あるとすればラッキーボーイの神がかりな力よ!
「新チーフ、やはり跳ねているのは一匹だけです、他のスライムはゴールドではありません」
「本当にチェックしたの、三階の全部よ!」
「全部はまだです、徹夜しますか?」
「そうねこの所は暇で定時だったから、久しぶりに残業しましょう」
何故か嬉しがる職員、明日からゴールドスライムが、出ている情報が出せるのだからうれしうわよね、閑古鳥よりも絶対いい。
「あの人にも、この幸せを分けてあげましょう」
私はライン連絡をする。
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ピロリーン、メールの着信音が鳴る。
「あの娘からの、業務終了連絡ね」
私は何気にメールを開けて確認する、サダ様が夕方から行く事は分かっている。
もしかすると、ゴールドスライムを発見退治したかもしれない。
ただそこには後半に行くと恐ろしい事が書かれている。
「なんでなんでよ、金塊が二個って、ゴールドスライム一匹で二個ってなんなの?
それにゴールドスライムを捕獲する100%の捕獲方法があるなんて、初心者ダンジョンが変わってしまう、どうしようまた会議なの?いつになればあの席でのんびり出来るのよ! 担当だから永遠に無理か、貧乏くじ引いたの私!」
私は自宅で空に叫んだ「サダのバカやろー」てね!
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