第49話 色違いのスライム!

翌日学校に行くと、ホームルームで担任では無く、教頭先生が現れた。


そして担任が長期休養で、明日から代わりの先生が来ると言う。


そのまま授業を受けて、放課後はダンジョンに行く。


「お待ちしてましたサダ様、本日も頑張って下さい」

買い取り表を見ていると、ニコニコ顔の安達さんに挨拶をされる。


「えぇ、頑張ります」

綺麗はずるい女Ⅱに、笑顔で答える。


屋上からエスカレーターで下に降りる。

装備は両手に消毒液、防具は消臭スプレーを体全体にかけておいた。


何時もの光景、ゾンビが三階を徘徊している。


「さて始めるか、兎に角は映画館前のエントランス」

俺はゾンビを目掛けて駆け出す。皮膚が溶けて骨が溶けて魔石になった物を拾い集める。


腰袋に入れて、奥のゲームセンターの中ほどに来る。

そして白の魔石十個を通路中央に置いて俺はゲーム機の隅に隠れる。


「さっき映画館を見たけど、まだゾンビは五匹目が湧いたくらいだった、一時間はドアから出て来ないからここに居ても大丈夫だろう」


そしてゲーム機の下から、置いた魔石を見ているとスライム達が集まってくる。


「くそ〜、お前達の食べているのはお前達には高級品だぞ、早く親玉のゴールドスライムを連れてきてくれ!」

俺の願いは虚しくも砕かれて、また魔石を十個程置いてくる。


「今度こそ出て来い!」

また食べられ、置く三十個目。

食べられ置く、四十個目。


「最後、五十個目だ、ダメならゾンビを待つしかない」

また来たスライム、綺麗に食べられて終了。


「まあそんなに直ぐには出て来ないよな、ならもう少し待ってゾンビが映画館から湧くのを待つか」

ゲームセンターの広い空間、野良のゾンビは居ないがスライムは少し入る。


「コイツらを狩っても雀の涙、早くゴールドスライム出て来い!」

そして扉の開く音が聞こえる、ゾンビ達が湧いて出てきたみたいだ。


「さてゾンビを狩るか、餌を集めないといけないしな!」


そして少し待って、ゾンビ達がエントランスから各通路へと散った後を付けて、なるべく一体づつ仕留めて行く。

手に入れた魔石は100個それをまた十個づつ置いて検証をする。


六十個目駄目。

七十個目駄目。

八十個目も駄目。

九十・百個目・・・何だあれは初めて見る色だレインボーカラー?


「何だ、お宝の匂いがする、でもゴールドスライムじゃ無いしどおしよう!」

考えている隙にスライム達は何処かに消える。


何だったんだ?とりあえず残りの魔石をまた順に置いて行く。

130個目で、待望のゴールドスライムを退治して、金塊をゲット。

そのまま魔石の残りは、下に金塊と共に持って行く。


テントに入って安達さんの前に行きトレーに金塊を置く。


「サダ様おめでとうございます、本日もゴールドスライムを発見して頂き、ありがとうございます、では査定しますね」

安達さんはニコニコしながら後ろに行く、綺麗Ⅱの笑顔はずるいよ。


少しして安達さんは戻って来る。

「お待たせしました、本日の査定結果です」

トレーにレシートが置いてあり、金額を確認する。


「300g税金引かれて二百四十万円、本当に俺はこんなに稼いで良いのだろうか!」


「では、100g越しましたので恒例の万歳三唱をしたいと思います」

言われた瞬間安達さんを止める。


「待って下さい安達さん、俺には今後不要です! 毎回やると目立ちますので、これからはやめて下さい」


俺が言うと上げた腕を下ろす安達さん、そして俺に問いかけて来る。

「これは、冒険者が貰える物で表彰より簡素な物です、今後辞退されると」


俺を下から見上げる安達さん、綺麗Ⅱはずるい。


「そうです、今後は要りません、目立って付けられても嫌ですので!

それと、白の魔石を持ち帰ってもよろしいですか?」


「残念です、それで白の魔石をお持ち帰りですか? 何処かに販売をするんですか?」


「いえ、明日の餌です、やはりゾンビは三時間で百体しか湧かないようです。

今日は時間も有りますが、これ以上は時間も無いので明日に回そうと思いまして」

毎日1から集めても時間の関係で空き時間が出来てしまうので、持って帰って明日持って来ようと思いまして?」


安達さんは直ぐに回答をくれる。

「では預かりますよ他の所に販売しないのであれば、一ヶ月間は預かります。

引き取りの無い場合は、一ヶ月後に精算してカードの方に入れます。

他の冒険者の方で相場が上がった時に売る方も居ますので制度として有ります」


良かったなら日曜日に長時間検証が出来る。

「ではお願いします」


俺は残りの魔石を渡して駐輪場に行く。


「そうだレインボーカラーのスライムの事を、聞きそびれた!まあ明日聞こうと」


夜道を自転車に乗り俺は家路を急ぐ。








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