第66話 幕張メッセダンジョン二日目②

俺はエスカレーター階段を降りて行く、なるべく早く奥に移動する。

スライムはとりあえず無視して蜥蜴を討伐して行く。

ウサギは何匹か、出たが魔石に変わる。


「さてここいらなら誰も来ないな、まずはいつも通りにゾンビの白の魔石を撒いてみよう」

10個20個30個………100個まあ普通のスライムしか出て来ない、それと蜥蜴も出てくる。


「蜥蜴は討伐して魔石にしよう、それと貴重なウサギの魔石を撒いてみよう」

昨日のと合わせて5個の魔石を1つずつ置いて行く。


現れたのは蜥蜴と蝙蝠、何故か争っている。

「まあ死んでしまいなさい」

俺はバットで討伐、両方とも肉になる。


「肉かよ、魔石で無いと検証出来ないのにな〜」

残りのウサギの魔石を1個ずつ置いて行く、やはり2匹ずつ出てくる蝙蝠と蜥蜴、それをバットで討伐すると肉になる。


「これって100%肉確定の罠になるのか、それも2匹を誘き寄せてくる!」

最後はなんと光った蝙蝠と蜥蜴、それもバットで倒すと肉が現れ光っている。


「まずいよね光る肉って、どう処理しよう?」

仕方ないので、ビニール袋に入れてリュックに放り込み外のテントに向かう。


先程のお姉さんがいたので、順番を待って話しかける。


「すいませんが、これって精算出来ますか?」

俺はリュックの蓋を開けて中を見せる、光る二匹の物体。


「えぇ、え〜!まさか肉がアヮ」

俺はお姉さんの口を塞ぐ! 突然の事で周りの職員さんと冒険者達が俺の方を向く。


お姉さんを羽交締めにして口を押さえている俺、犯罪者確定かも!

お姉さんから手を離し、一歩はなれる。


「あゝ皆さん大丈夫です、少しふざけました、席で業務再開して下さい。

冒険者の方も頑張って下さい、それと君あちらの部屋に行きます」

指された指先は、先程の防音室の部屋、二日目から隔離です。


ドアを開けて中に通される、机1つに上にはトレーが置いてあり、椅子が4つ有る、後で誰か来るのかな。

待っているとさっきのお姉さんと職員の女性、持っているお盆には各種飲み物が置かれている。


「好きな飲み物を飲んで下さい、先程の物だけでも凄い価値の有る話です、私は八木と言います、彼女は野田ですよろしく」

二人して頭を下げてくる、八木さんて親戚か何かかな?


「不思議そうな顔をしてますが、何かついてますか?」

彼女はコンパクトを出して顔を見ている。


「いえ、なんでも無いです、それでは此処において良いですか?」

俺は机のトレーの上に光る蜥蜴と蝙蝠を出す。


「本当に肉が光ってます、今までこのダンジョンが出来て初めての事です」

「本当に、肉が光っています、肉なのにね」

2人は繁々と光る肉を見ている、まあ見た目は肉ですけど発光体ですね。


「それで、この二体を精算出来ますか?」


「これは即決で金額を出せません、もし良ければとりあえず10万円、それと後にオークションなり、研究機関が買い取ったら10万円以上なら差額をお支払いします、少なくとも渡した金額は戻さなくても結構です」

おお太っ腹、これで日給10万円以上確定!


2体で10万円、1体5万円ただの肉なら2千円なので良い買取価格だね。


「お願いします」

「ならカードを預かります、野田さん二十万円振り込んで来て!」

「はい預かります」

野田さんが立ち上がり、カードを持って部屋の扉に向かう。


「それと、研究班をこちらに回す様に言ってくれる!」

「業務連絡してきます」

野田さんは出て行った、肉は後ろの棚の上に移動する。


「では、これよりは情報のお話をしましょう、有益なら最低でも千円その先の価値は聞いた話の内容で変わりますよ」

八木さんは俺に微笑み問いかける、綺麗はずるいね。


「まだ検証中なので、それはお答えは出来ません! タップリと検証してから報告して行きます」

次の瞬間、何故か俺に縋り付いてくる。


「待って待ってよ、あんな物を見せてこのまま帰るの最後までお願い」

それこそ待ってくれ、綺麗はずるくHだよ、下半身がまずい。


「とにかく検証を続けます、回数券でまた戻れます?」

「いゃ〜やめないで、最後までお願いよ〜」


この人変な意味で不味い、早く逃げないと。

俺は慌てて部屋を出る、追いかけてくる八木さん。


「待って待ってよ、最後までお願いよ〜〜〜」

俺はダンジョンにまた戻るよりも、駅に向かって走って家に帰った。















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