第55話 スライムの報告②

少しの静寂の後、みんなが俺に向けて一斉に喋り出す。


「何だ金塊二個出しが2回って」

「いえ一回は黒い四角いBOXです、そんなの出た情報有りませんよ」


「色がブラックとレインボーなんて、新種か?」

「六匹もゴールド、それに色が違うのか!」


「ブラックの魔石は何だ?」

「それよりも、黒の四角いBOXとは何だ?」


「サダ様、ブラックからは巻き物でしたよね、もう使いました?」

「おいおい巻き物って何なんだ!そんなの聞いてないぞ」


「だから此処で聞くんです、みなさん落ち着いてください」

最後に安達さんが全員を止める。


「まず全員席に着いて下さい、そんなに一度に聞かれてもサダ様が答えられません。

先輩もサダ様専属担当ですから落ち着いて下さい」

安達さんが言うと、八木さんは席に着く、その後は全員座ってくれた。


和久井さんはブザーを押して人を呼ぶ。

「悪いが、冷えた物を全員分運んで来てくれるか!」


少しして、氷の入った飲み物を係の人が持ってきて配り退出する。


「では飲んだら、奏凪さんから1回質問をお願いする、一人1回だぞ!1周回ってまだ質問があれば、もう1周何度も時間が許すまでだ、サダ君は何時に戻れば良いんだ?」


俺に時間を聞いてくるので、「今日中に」と答えた。


そして全員が飲み物を飲んで、質問を始める。


「なら俺からだな、色々聞きたいが、巻物の他の四角いBOXは今持っているのか? 有るならば見せてほしい! それと皆んなは見ても触るなよ、もし使ってしまうと賠償金だけでも国家予算が無くなるからな」

全員頷くが、何でだろう?


「あのー他の方が触ると何かあるんですか?」

俺の質問に八木さんが答える。


「サダ様は初めてなので説明します、ブラックスライムから出た巻物ですが、世界で使われたのは19名です、発見がそれくらいしかございません。

もしオークション等になりましたら、この国の国家予算位にはなります!

何故なら価値とこれからの冒険者としての実力が上がり、途方もない報酬が約束されます。

又それを使いますと、スキルと言う黒板が出ます、それは覚醒者と呼ばれる事になり世界で20番目の称号が与えられます」


何それ、本当に小説とかマンガみたいな事があるんだ。


「なら俺が使っても良いんですか?」

俺はみんなを見回して質問する。


「はい、ダンジョンで討伐した物はその討伐者の物です、お売りするなら税金は引かれますが売れますよきっとね! 正し分割払いに成るでしようけど!」

八木さんが答えると和久井が言ってくる。


「サダ君、使うならその巻物を皆んなに見せてから此処で使ってくれ、どの様になるか分からないし、倒れても直ぐに救急車を呼べるからね」


そうだよね未知の巻物だし、何が有るかは分からないもんな、周りに人がいてくれた方が安心だね!


「なら最後に試します、見せるのも最後でお願いします」


「なら次は俺だな、サダ君、何故白の魔石を沢山購入したんだ? 焦らなくてものんびりと検証出来るのではないか?」

和久井さんが聞いてくる。


「ゾンビ魔石が中々貯まらないからです、それと検証方法ですが最初は十個づつやってましたが段々増やして、百個位だと一日で消費出来ないので、思い切って千個づつ置いたら、ゴールドスライムが沢山出てきました。

最後は時間の焦りから、五千個を大量に撒いたらレインボーカラースライムとゴールドスライムが一遍にかかりました。もしかすると大量の魔石にはスライムを誘き寄せる効果があるかもしれません」


「そんな事も検証したのか!」

そうだと俺は思い出した。


「後三匹目と四匹目はゴールドゾンビの魔石を撒いたら一発で釣れました。

ゴールドゾンビの魔石は在庫はあるんですかね?今後も欲しいですけど!」

俺の発言に、皆んなは驚いた顔をした。


「ゴールドゾンビの魔石って何だ?」

「サダ様、あの魔石の事ですよね、今回出たゴールドゾンビの魔石の事ですよね!」

八木さんはどうしたのかな、魔石魔石ってさ?


「冒険者はゾンビを狩ると稀に骨が金色になります、その骨には価値は無く、一度失敗すると今度は魔石を持って来ます、その魔石は白い色の魔石の百倍で取引されますので大変貴重です、特に初心者ダンジョンでは」

八木さんは全員に説明する、そんな事も新発見なの?













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