第56話 スライムの報告③

ゴールドゾンビを知らない上層部、やっぱり初心者ダンジョンは何も調べて無いんだな!


「我々の知識は中級ダンジョンからだから、初心者ダンジョンの事は頭に無かった。

もしかしたら、まだまだ発見はあるんだろうか?」


「奏凪さん、だから此処に今居るんですよ、サダ様の発言は一日中潜ったらすごい事になるんです、まだまだ続きますよねサダ様」


無茶振りする八木さん、そんな事は無いと思う。


「とにかくは、今言った通り、ゾンビのゴールド魔石が有りましたら、購入したいので分けて下さい」


そこで、奏凪さんが聞いてくる。

「悪いが、ゾンビの魔石はサダ君が購入して今回の検証をしたのか? ダンジョン庁としては、無償提供した方がいいだろう!」

すると八木さんが答える。


「初めは我々も無償提供を申し出しましたが、サダ様が有償をお望みでしたので購入の形をとりました」

八木さんの説明を聞いて、奏凪さんは考えてから俺に聞いてくる。


「それは何故なんだ、サダ君?」


「はいやはり自分のもので無いと、全てのドロップ品を自分の物に出来ませんよね、後からこれは提供品なんで、落ちたドロップ品を寄越せと言われても困ります。

冒険者は自由なんです、何処の組織や企業にも属していませんしね」


「そうだな、今回みたいに途方もない物がドロップ品で落ちたら、確かに寄越せと言いたくなる、分かったこれからも有償にするが最優先でサダ君に提供しよう、ゴールドゾンビの魔石も集まり次第提供させる!」


これで検証もかなり進むぞ! ただ魔石の値段はどうなるんだろう?

「八木さん、魔石の値段は上がりますか?」

俺が聞くと八木さんは答える。


「今は相場通りですけど、将来はゴールドスライムの金脈を掘ると言うか倒すと言うか分かりませんが、金塊目当てに上がるかもしれませんね!」


俺は考える、それを見た八木さんが助け舟を強行に出港!


「サダ様、まだまだこの事は発表しません、直ぐには変わる事は有りませんよ、そうでよね長官」

突然の質問に戸惑う奏凪さん、確かに八木さんの無茶振りだね。


「善処する」

「何を国会答弁みたいな事を言うんです、それならこれからは会議をしません、私はサダ様の専任担当ですから、報告はのんびりとさせて頂きます」

おいおい八木さん上司さんにそんな事言っていいのかよ。


すかさず和久井が間に入る。

「まあまあ八木君も落ち着いてくれ、奏凪さんが言ってしまうと決定事項になるんだろう、慌てなくてもこの国の会議は結論まで長引く、それにゴールドゾンビの捕獲方法も検証するなら、もっと長くなるかもね、まあサダ君のやり方次第だけどね。

ちなみに、日本は年間7500kgぐらいは産出する、毎日今日の調子でゴールドスライムを倒せば、サダ君一人で日本一の金鉱山になるな!」


確かに40kgを二百日で年間の日本の産出量になるな!

「毎日は無理ですよ、魔石の問題もあるし、学校もありますので」


学生には無理な相談だね、特に俺は義務教育だしね。


「よしゴールドスライムとゴールドゾンビの事はサダ君に任せる、マイペースで検証を行ってくれ、ならドロップ品の事を聞こうか!」


奏凪さんは、ドロップ品の事を聞いてくる!









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る