第128話 泊まれないよ〜!

そして歩いて行くと、色とりどりで結構な大きさの建物が、其処彼処に点在する場所に来る。


「この辺の建物はカラフルな色をしているけど、特別な所なの?」

俺は周りを見渡すと、2人が答えてくれる。


「色分けして、一族の者が泊まれる宿舎になっている」

「目印で間違えない様に、各一族の色で門と塀と建物を作ってあるのよ!

門番の鎧もお揃いの色よ」


ならば黒い建物か白い建物を、見つけて行けばいいんだな。


「先ずは私の一族の建物、白い建物に行きましょう」


白を先頭に白い建物を目指す。


少し歩くと白い建物が見えて来る。


門の前には、白い鎧を着た門番が5人ほど居る。


その仲の1人に、白がカードを出して聞いている。

「4人なんだけれど、今日は空き部屋はあるかな?」


白が聞くと、門番は丁重に答えてくれる。

「昨日から王族がこの街に視察に来ていまして、何処の宿舎も満杯ですよ!

予約はしてありますか?」


「王族が来ているのか? 予約は無いよ上から来た所だからね! しかしそれは困ったな〜。

お姉様、王族が来ていて泊まる部屋は、此処には無い様だよ」


白が黒に言って来ると、黒は考えている。


「私の方も聞いて来るから、みんなは此処で待っていて!」


黒は、何処かに走り出す。


「王族が来てると、宿舎が満杯になるのか?」

俺は白に聞く。


「我が一族は文官で王族に付いて一緒に行動するからかなりの人数が付いてくる、お姉さまの所も護衛でかなりの人数が、同行しているはずなんだけど、数が………」


王族の移動は付き添いの人数が、やはり膨大な数に成るんだな〜。


しばらくすると何処かに行った、黒が帰って来る。


「ウチも駄目だったよ、少し他の一族の宿舎も聞いたけど、何処も満杯で街の宿も満室は確定だってさ、どれだけの王族が来ているんだか? さて何処に泊まるか?」

「やっぱりお姉様の方もダメか、もう一つ先の街に移動する?」

2人は話し合いを始める。


「でも私の所が一杯なのは分かるけど、白の所も一杯なんてさ、どれだけの王族がこの街に来ているんだ?」

「私も思ったよ! 私の所が満杯になる事は、余程の事がない限りはまず無いはず! 満杯に成るのは上位の王族か、王族の来ている人数が多い時よね」

王族って一杯いるんだな、継承者が沢山で政争がありそうだね。


「此処に居ても泊まれる事は絶対に無い、移動したいが泊まれる所は皆無隣の街も無理かも知れない」

「なら何処かでテントでも張って止まる事にする?」


「私達2人ならどうとでも成るが、旦那様を守ると成るとやはり宿が欲しいね!」

「俺ものんびりと泊まりたい、明日もあるしさ」

「私もベットで寝たいわよ、ダーリンとね」


1人だけ頭が桃色の人が居るけど、4人で話し合いをしていると、背後から声をかけられる。


「難義している様だな、白200よ!」


声のする方に、俺達は振り向く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る