第124話 光のある地下空間。

囲まれた俺達四人、周りにいるケルベロスは牙を剥き、騎士は槍を突きつけてくる。

後方に居た一人の騎士が、何頭かのケルベロスを連れて墓に入っていく。


「お前達は誰だ、何故故に公爵家の墓に入っていた!」

一人だけ白のマントを付けた騎士が聞いて来る。


「まあまあ騎士殿、我は黒の一族ですの二百ですよ」

(私の事を知らない若い一族の者か!)


「私も白の一族の二百ですよ」

(黒を知らないなら若い奴ね、騙せるはず)


二人が挨拶すると騎士は、俺とカオリさんを見て来る。


「この物達は、何処の一族だ!」

騎士の質問に黒は答える。


「この男は我らの婿とその護衛です。疑いが有れば明日宿舎に連絡をくださいね。

それではこれで」

包囲を抜けて少し歩くと、墓に入った騎士が帰って来て叫ぶ。


「中で赤の一族の男爵様が、倒れています!」


すぐに俺達の方を向く騎士とケルベロス達。


「貴様ら何者だ!」

怒りの白マントの騎士が叫ぶと、攻撃体制に入る騎士とケルベロス!


「旦那様、直ぐに魔法を打て構わぬ!」

「死なぬ程度にね!」

2人が話しかけてくる。


何故か許可が出たのでかみなりよりも広範囲の魔法を放つ。


稲光いなびかり

横に光が走る、焦げた匂いが充満する。


倒れてうごめく騎士達を黒と白は見ている。


ケルベロスは、倒れて口から泡を吹いて痙攣してる。


「流石だな旦那様、全員気絶か戦意喪失だな!」

周りを見て呟く黒。


「やはりこれは防げないな、もう絶対に敵にはならないぞ」

白も何か言っている。


最初に動いたのは、初めから喋っていた騎士。

「ウッウ貴様ら、これで裁判に死刑場だぞ!今更泣き言は言うなよ!」

上半身を両手で持ち上げ、立ち上がれないのに口だけは動くようだ。


「我らは言ったであろう黒の一族だと!その方らは黒だと思ったら赤の一族の者か!高々民間の警備員が我ら軍隊に勝てるのか!」


「私も言ったよ、白の一族だってね!あなた達から上がって来る全ての決算書類を、止めてあげようかしら! 決算書類は何も回さないよそれでもいいかな?」


騎士は下を向いて考え込む、周りからは低い喘ぎ声が聞こえる。

「我らを助けてはくれないか、戦いを挑んだ事は謝罪する。中の事は不幸な事故だったと家族達には伝える」

中の最初の地底人は生きているはずですよ!


「仕方ないね、白ちゃん助けてあげて」

「分かった、ヒール」

白い光が全員を包み消える。


「あれ何人か動かないの、死人ならリサイクル」

嘘〜それって物だけじゃ無いの人間に効くの?次の瞬間に動かなかった人が少し動く。


「よし改めてヒール」

何とか全員が上半身を起こして、ケルベロスは伏せの体制。


「なら今回の事はお互いに忘れましょうね!返事は」

白の言葉に、白マントの騎士が答える。


「はい、その様に伝えます、貴方達は此処に居なかった」


黒と白は俺達を引っ張って道を進んでいく。











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