第135話 腹黒女王!
婚姻届を王都に運ばせては行けない!俺は足りない頭をフル回転で血を巡らせる。
「第二王女様、貴女はこの街に来た使命を忘れたのですか!思い出して下さい」
何処にでも有る従者のセリフ、此処で自分の使命を思い出させて、この話を忘れさせる。
「私の使命? あゝ此処の地にスライムの王が現れる、それを討伐するためにこの街に来たのよ」
ほらあったじゃ無いか、それを忘れて婚姻はダメだろう。
「では私の事よりも、使命を優先して頑張って下さい、私は遠くの草葉の陰で姫様の無事を祈っています、ではこれで! カオリさん、黒と白此処からお邪魔をしよう」
このまま俺達は部屋を出ようとしたが、やはり無理だった。
「待て待てお前達、何処に行くんだ、まあ一晩は泊まっていけ部屋を用意させる。
未来の伴侶だからね」
くそ〜、普通ならこれで行けるはずなのに、何故正気なんだ。
「確かに使命は有る、ただ我は付き添いであって、責任者は皇太子の兄上です。
私は邪魔しない様に会議の時には、側で話を聞いているだけだから、時間も沢山ある。
それに発見するのは下級の貴族達や騎士団達ですよ」
ただの付き添いなら、使命は無いのかよ、王族だろうに!
トントン、ドアがノックされる。
「誰かしら、副長見て来て」
騎士団副長がドアの外に行く。
「さあ、逃げる事は出来ないわよ、諦めて私の下僕になりなさいね。
住む所と食事は出して上げるし、その周りの者達を側室にするのも許可します!
後は何かあるかしらね?」
下僕って伴侶じゃ無いのかよ、声に出ているぞ!
それじゃー改めてどうやって逃げるか? とりあえずは従順のフリして大人しくしておくか?
「ネエネエ声が出ているわよ!心の声を出したら貴方の負けよね。
それで名前はなんて言うのかな?」
此処は偽名で乗り切るか、それとも芸名でも考えるか。
「ハイ名乗ってね、流石にメイド副総長の真贋魔法は今度こそ破れ無いはずだから!」
俺の鑑定は人物や物の鑑定、嘘を見破る魔法があるとは知らなかった。
………そうだ、これを試してみよう、俺は自分のステータスと心に盾を掲げる。
MPが少し減った、もしかして行けるかも知れない。
「私の名前はサダバァサシです、以後よろしく」
黒と白は下を向いている、肩が揺れているぞ。
そしてカオリさんは、不思議顔をしてこちらをガン見している。
後ろのメイドさんは、縦に頭を振っている、それを見た王女は満足そうに俺を見て言って来た。
「ほうサダバァサシか、ならこれからお前を私の忠実な伴侶にしよう」
そう言って、机から首輪を出して来た。
「これで私とお前は一心同体になる、お互いが話し合える関係だ」
待ってくれよ、1つだろうエンゲージリングは2つで一対だぞ!
それに俺の鑑定では、隷属の首輪って出ているよ。
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