第98話 置いて行かれた人々!
開いたと思ったら何かが出てきた。
二人して後ろに飛び退く、出て来たのは制服を着た骸骨だが動かない。
「もしかして避難し損ねた人ですか?」
「私も分からないは、だって十二年前は小学生だもの、当時の記憶にそんな物は無いわよ、それに聞いたこともない」
とりあえず落ちた骸骨だが、ダンジョンに埋もれる前にアイテムBOXに仕舞う。
改めて中に入って客室を見ると骸骨の山だ、みんな避難を出来なかった人たちなんだな、俺は歩きながら骸骨を仕舞って行く。
そして電車の反対側に着いた。
「結構居ましたね、結局逃げられずにこの姿になってしまったんですかね、よくお兄さんは此処から出られましたよね?」
「そうね、十年前はきっと此処には来ないで、新御徒町の駅でうまく出られたんじゃ無いかしら、ダンジョンはもしかしたら日々変わっているのかしらね」
カオリさんの仮説はもしかしたら合っているかも、何たって出口が見つからない、ならば少し休もう。
「カオリさん、誇りだらけですけど椅子に腰掛けて休みましょう、戦闘と歩きで疲れたでしょう」
「そうね小休憩しましょう、お姉さんの膝に頭を置いて良いわよ」
ポンポンと膝を叩いて誘導される。
「でも、ここで大丈夫です」
「良いからこっちに来なさい、早く」
強引に膝枕に誘われた。
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その頃の地上。
「不味いぞアクシデントだ、二人が消えたもしかしたら上級ダンジョンに落ちたかも知れん」
貝巻さんはテントの職員に報告する。
「貝巻さん俺は会社に連絡してきます、此処にまた来ますのでよろしくお願いします」
専務さんはブルードラゴンに走って行く。
「後は、あっちにも連絡しておかないと不味いよな」
貝巻さんはまず八木(埼玉)さんに連絡する。
プルルプルルガチャ。
「こちら埼玉ショッピングモールダンジョンです、ご用件をおっしゃって下さい」
「私は貝巻と言う、ダンジョン長の八木さんはいるか!」
「何偉そうに、ダンジョン長は忙しいの、後で電話をくれる!」
「おいおい切るんじゃ無い!とにかく呼べダンジョン長を!」
「もう仕方ないな、一応は聞きますよ待っててね」
貝巻さんは電話に出たのが問題児の柳生さんだとは思っていない。
「ああやっぱり居ないみたい、またかけてねじゃあ」
「おい切るな、大事な!」
プープー。
「馬鹿かこの受付は、俺の名前を知らないなんて、もう良い奏凪に電話だ」
貝巻さんは奏凪さんに電話して一部始終を報告、そして秋葉原に緊急対策本部を設置した。
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「ねえ今の誰からの電話なの?」
「おじさんがダンジョン長を出せって言う苦情電話です、何時もの事なので居留守で切っときました」
「そうね、苦情処理は此処の仕事だもんね仕方ないよね」
安達さんまでも足を引っ張る柳生!
そして夜にはこの事がバレて、また怒られる二人で有る。
安達さんは道連れで可哀想。
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「本当か、兎に角は腕の立つ冒険者に連絡しろ、金は掛かっても仕方ない俺が出す」
「良いんですか会長、妹を見つけるのにそんな事を言って」
「娘じゃ無いサダ様だ、彼を無くすとまた日本はダンジョン探索の後進国に戻ってしまう!そんな事は許される訳がない」
専務は思う、確かにここ何日でダンジョンがわかってきた気がする、あの人と居るだけでワクワク感がたまらない、今だって妹と変わって俺が側に居たい位だ。
「良いか近場に居れば直ぐに来てもらえ、ゴールドランカーで救助隊を作る、費用はブルードラゴンで持つ!」
専務さんは会長の指示で、店に来たゴールドランカーや電話番号を知っている人達に声をかける!
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