第149話 グミだよスライムじゃないよ!

俺達は連行されて、地下の牢屋に連れて来られる。


「此処に入っていろ」

全員一纏めで牢屋に放り込まれた、男は別じゃ無いのかよ!

子羊の周りに狼が14匹、普通なら食われちゃうけどどうなるんだ?


「うーん困ったね色々と、何であそこまで怒ってるんだ王女様は?」

「全部食べてしまって、証拠を隠滅しとけば良かったねお姉様」

「後1000年は生きたかったな、仕方ないそれも人生だ」

3人は何かを言っているが、メイド達は泣いている。


ただ1人だけ泣かないメイド副総長が、俺に話しかけてくる。

「本当にあの食べ物は無いのか、今ならまだどうにかなるぞ、

これで王妃様まで話が行くと、判決は直ぐに出てしまう。

お願いだからあのドーナツという物を、もう一度どうにかしてくれ!」


してくれって言われても食べた物は、お腹の中で消化して外に出てくる。無理な事を言う、メイド副総長さんだ。


俺は時間を戻す魔法は、持ってないよ悪しからずね!


そしてアイテムBOXの中に手を入れて、お菓子情報を確認。

これでも食べようかな、腹は膨らまないけど疲れたなら、甘いものを食べて脳を活性化させよう。


俺はグミを出して、食べ始める。


壁を向いて食べていたのに、カオリさんは何故か気がついた。


「ダーリン、何を1人で食べているの、私にも分けてね」

カオリさんの口にグミを入れてあげる。


「あゝグミね、ただこれだとお腹に溜まらないわよ」

「良いんだよ、これで脳に糖分を送って賢くなるんだからね」

2人で仲良く食べていると、黒と白も気づいて寄ってくる。


「何を食べているの」

「また甘いもの?」

俺はグミを親指と人差し指で握って少し潰しながら2人に見せる。


「「スライム」」

その声に全員が、俺たち2人をみる。


俺は言われると思って、隅で隠しながら食べていたのにね。

「ハー、やっぱり言われた!カオリさんハイ口開けてね」

カオリさんの口にグミを入れて俺も食べる。


「これは甘い食べ物なんだ、欲しければ一緒に食べようよ!」

全員が首を横に振る。


「仕方ないな、まずは黒からだ!カオリさん捕まえて」

カオリさんが背後から黒を捕まえる、俺はグミを唇に押し付ける。


「モガモカ、やめろ食べないやめて」

少しかわいそうだけど、唇から歯を当てて、少し味がして来たのか口を開けたので、口の中に押し込んだ。


「………甘い〜」

「なあ甘いだろう!」

「もお一つおくれよ旦那様」

仕方ないけど、また口に入れてあげる。


「美味しい甘〜いウフフ」

幸せか黒よ、それを見ていた白が口を開けて俺の方を向く。


「白も欲しいのか?」

何度も頷く白、口の中にグミを入れてやる。


「モグモグうわー、もお一つ下さい」

また入れると、今度は千さんが口を開けてくる。


「アンタも欲しいのかよ」

やはり頷く千さん、彼女の口にもグミを入れてあげる。


「………甘いそれに果物の味がするわよ!これは何の味なの?」

「これか、葡萄とかグレープって言う果物だ」

「フフフ幸せ」

それを見ていたメイド達は、俺に近づいてきて口を開ける。


「君達も欲しいのか?」

やはり全員頷く、各自の口に一つずつ入れていく。


「「「「「………美味しい」」」」」

「「「「「………甘い」」」」」

さて残るはメイド副総長さんだけ、ただ彼女は怯えている。

俺は段々と近づいていく。


「さあ貴女が残りました、皆さんと同じ世界に行きましょうね」

だが彼女は横に顔を振る。


「スライムよ、いくら小さくても魔物よ、物は盗むし、死体は食べる、それに私達の排泄物も食べるのよ、そんな物は嫌よ食べないわよ」

フフフ、さあ全員で副総長さんを押さえてくれる、みんなで同じ世界に行きましょうね!


メイド達が、腕足、そして顔を押さえて口を開けさす。

俺はゆっくりとグミを近づける。

「イヤイヤよやめて」


「さぁお食べよ」

俺がグミを口に入れた瞬間、外で怒鳴り声がする。


「何をしているんだ、お前達は!」







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