第150話 牢屋も快適に!

声のする牢屋の外を見ると、第3王女様だ!相変わらず怒っている。

メイド副総長は口を動かして、グミを噛み締めている。


「メイド副総長この騒ぎは何、君達は反省しないの!」

怒っている王女様に、メイド副総長はグミを飲み込み、報告しようとしている。


「第3王女様に報告します、先程と違う甘味を味わっていました、ただ形がアレでしたので確認をしていました」


また俺かと王女様が、俺の方を向く。

「まずは此処の錠を開けなさい、私が中で尋問します。

管理人が鍵で錠を開けて、扉を開く。


そして俺の前に来る王女様。

「先程は甘味は無いと申したでしょう、何でまた出てくるの?どうやってメイド副総長の心眼魔法を破っているのよ!本当に頭にくるわね」


かなりお冠の王女様、だって聞き方が悪いから、魔法がすり抜けるとは言えない。


「それでその甘味を見せなさい、早く」

俺は袋からグミを出して、親指と人差し指で握ってグミグミ。


少し背後に下がる王女様、だけどしっかりと見ている。

「それは本当に食べ物なのね、ならば食べさせなさい」


王女はみんなと同じ様に口を開けてくる。

俺はグミの1つを、口に入れてあげる。


王女様はゆっくりと、噛んで舐めている。


「うふ甘い、それに美味しい、さぁもお一つ口に入れなさい」

俺が袋を探るとまた空だ!王女様の目の前で空の袋の中を見せる。


「ええと無くなりました、残念です」

俺が言うと、王女様はまた体を震わせて言ってくる。


「お前達はまた私に内緒で全て食べて!全員明日の朝まで此処に入っていて反省下さい、もう出してやらないんだから!」

そして王女様が出て行くが、思い出した様にこちらに振り向く。


「メイド副総長貴女は出なさい、晩餐会の会場で私に付いてなさい!いつも通りにね」

メイド副総長が出ると、また扉と錠が閉められる。


王女様の跡を残りのメイド達と騎士達が付いて階段を登って行く。


「行っちゃったね、メイドさん達も連れて行ってあげれば良かったのにね」

俺はメイドさん達を見ると、みんな下を向いている。


とりあえず、明日まで暮らす、この牢屋の環境を良くしておこう。

トイレの周りに布を張って、見えなくしてから蓋に便座を取り付ける。

そして音姫と匂い消しに消臭剤を置いておく。


「あら良い香りね、何の花なの」

千さんが聞いて来たので、ラベンダーと答えておく。

地底にあるかは分からないけど。


そしてブルーシートを引いて、いくつかエアーマットに空気を入れて

座る所を作る。


「この上に座っていて、疲れていたら横になっていても良いからね」

そして追加でアウトドア用品の椅子を何個か並べる、結構あるけどもしかして足置きに、この小型の物を買って放り込んでいたのか。


此処にはいない姉に感謝、ただお金は俺が出したから使う権利はある。


更にサマーベットみたいな物が出てきた。


これはかなり楽に座れるね、それとこれを出しておこう。

1人に一本飲料水を配る。


「喉が渇いたら遠慮なく飲んで良いからね、そしとトイレの事をカオリさん教えてあげて」

女の子なので、トイレのことはカオリさんに任せる。







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