第19話 初心者マーク取れました!

「サダ様サダ様!大丈夫ですか?」


俺はチーフさんに呼ばれていたが、返事はしてなかったみたいだ。

「大丈夫です、新しいカードを確認していたもので」


「では説明です、この次からは定期券が半額になります。

初心者が取れますと中級ダンジョンも入ることが出来ます。

ただ定期券は買ったダンジョンしか使えませんので、安いからと言って何枚も持つ事はやめた方が良いです。

なんなら平日限定回数券を買って試しに入って、気に入ったら定期券を購入するのが良いと思いますよ、何故なら回数券に期限はありませんのでね」


回数券で中級ダンジョンか、行ってみたいな。


「それと今回の昇級はおそらく世界最速での達成です。不正の出来ない初心者ダンジョンは監視の目があり、上位者と組んで討伐しても、監視カメラで不正を見てますので無理ですからね、なので表彰の対象になります」


俺は表彰されちゃうのか、姉さんにはバレるな稼いだ金額がね。


「次のシルバーランクは一億円以上です、頑張って下さい」

チーフさんに応援されて送り出されるが、止まって質問する。


「チーフさん聞きたいですが、ゴールドスライムの10kgの物って過去にありましたか?」

俺の質問にチーフさんは驚いている。


「ささサダ様、まままさか何処にいるか知っているんですか?」

少しチーフさんの言葉遣いがへんだけれど、質問には答えて置く。


「違いますよ、確かネットで五回ゴールドスライムが出た所があると聞いたのでもし今日出たなら、すごいかと」


「確かに過去には五回出たダンジョンがありますが、五回目でもサダ様の三回目より小さい1kgです。今回がタイ記録で異常な位に大きいのですよ」

大きいのか、もし五回目が出たらどうなるんだろう。


「サダ様サダ様、気おつけて下さい、心ここに在らずですよ」

「すいません、でもこのまま続けて潜ります失礼します」

俺は走ってテントを出る。


「サダ様、行っちゃった」

「チーフ、大丈夫ですかサダ様」

「まあここは初心者ダンジョンだから大丈夫だと思うは! ただね心配なのよ」

チーフさんは思案顔。


「何がです?」

「またゴールドスライムの金塊が来ることよ!」

少し引き攣る受付嬢さん。


「まままぁさか来るんですか?」

「サダ様が聞いて来たのよ、あれより大きい金塊が出たのかってね」

チーフさんは俺の質問を受付嬢に伝える。


「だってあれ記録級の大きさでしょう!」

「そうタイ記録よ、後で本部に申請しないとね表彰して貰わないと」


「私がやっておきますね、チーフも一度休んで下さい、万歳三唱三回は疲れますからね」


私はダンジョンの出口を見ている、今日はもお来ないで欲しいと。


俺は屋上の入り口に来て、気合を入れようと、入る前に消臭スプレーを体全体にかける。

装備は右手にバット左手に消毒液のスプレーを持つ、まさかまた居たらスプレーを投げる訳には行かないからな。


ゴールドスライムの情報が流れているのか、段々と混んで来るが俺は三階で討伐なので関係ない。


「よし下に下がるぞ」

エスカレーターで中程まで来だがゴールデンスライムは居ない。

まあさっきまでが出来過ぎなんだろうと思いながら3階に着く。


相変わらずのゾンビ達を一体ずつ仕留めていく。 

他の人達は俺を見ていたが、鼻を摘みながら下のエスカレーターで降りていく。


映画館のエントランスを見て、何体かを溶かしてから扉を開くと5体程だから放置して、フロアーのゾンビ達を片付けていく。


まず腰袋が一つ膨らむ。

まだまだ扉から出て来る時間では無いので、2階に降りて野良のゾンビとスライムを倒していく、人が多くて中々討伐できない。


ただ俺が側に行くと臭いなのか、離れていく。


腹が空いたので、消臭スプレーを全身に掛け直して、一階のフードコーナーで早い昼飯を食べる。


時折り聞こえて来るヒソヒソ話。


「スライム捕まったってさ、今日こそ百万円狙ったのに」

「イヤさっき見てから来たら二匹出たみたいだぞ、それも500gだよ」

「一撃で五百万かよ、税金引かれても四百万円か!」

他のテーブルは?


「帰るか」

「せっかくチャンスだったのに」

「やっぱり早起きしないとダメだな」

「本当、二匹で五百万超すからね」


そこにまたまた騒がしい奴が飛び込んで来る。


「聞いたかゴールドスライム、三体目が出て、2kだってよ」

「税金引いて、千六百万円かよ」

「ここの運営金あるのか?」

「大丈夫だろう、国の運営だから日曜日でも補充してくれるからな」


人の噂は蜜の味みたいだね。でも俺は再度上に行ってゴールドスライム討伐を挑戦する。


※正確には人の不幸は蜜の味です※















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