第138話 地底のトイレ事情!

しばらくすると、お茶とお菓子を持ったメイドさんが入ってくる。


「メイド副総長、第3王女様が会議の進行に合わせた休憩中のお茶の事と、今晩の晩餐会の事で相談があるので、会議室に至急来て下さいと言っています。

代わりに私達が此処に居て、この方達の接待をする様に言われました」


新たに入って来たメイドさんが、副総長さんに言ってくる。


「分かったわよ、なら此処はお願いね!トイレ以外は外に出さない様に。

それと………まあ良いわねじゃあ」

メイド副総長は、部屋から出て行く。


そして新たに入って来たメイドさんは4人、お茶とお菓子を配ったら、窓と入り口に2人ずつ分かれて立っている。


(なぁ、みんな耳を貸してくれ)

4人で固まり小声で話す。


(さて周りにメイドさんがいるので、大声は出すなよ、まず俺の首に付いている首輪はどんな物なんだ?)

黒と白に聞く。


(隷属の首輪と言って、契約者から逃げ出したり逆らうと、罰として首輪が閉まって行く物だ、この建物の中なら距離的に自由に行動できるはず)

(たださっきの光り方、光がおかしな光り方だったねお姉様)

光り方がおかしい、白よ説明してくれ?


(私達も昔は奴隷を購入して働かせたけど、もっと契約時に光る時間が長かった様な気がしたの)

(あゝ確かに、光が発する時間が短かった)

(失敗なら光らないし、何なんだろう?)


恐らくは名前が一文字違うので、契約がおかしくなったのかな、ならば外して見たくなる。


(これの外し方は知っているか?)

(イヤ旦那様外す事は、契約者しかできませんよ)

(本当よ、外そうとすると、閉まって苦しくなるわよ!辞めといてね)


俺は思う、光らなければ契約は不成立、途中でも不成立じゃあ無いかとね。


俺は顔を上げて、メイドさん達をみる、笑顔で微笑み返ししてくる。


また頭を下げて、3人と相談する。


(この真ん中を押すと、外れるのか黒さん)

(あゝ奴隷解除の契約の後は、そこを誰が押しても外れるよ)

(ならトイレの個室で試してくる、みんなは待っていてくれ)


俺は顔を上げてメイドさんと目が合う。


「すいませんトイレに行きたいです、何処ですか?」

メイドさんは、部屋の外の騎士さんに同行を求めている。


「こちらの騎士について行って下さい、終わりましたらこちらに戻って来てください」

俺は騎士さんに周りを囲まれて、トイレに行く。


「コチラをお使い下さい」

部屋の中には、何箇所かの仕切りが有り洋風の便座が設置してある。

ただ石を掘り出した筒なので、お尻が冷えそう。

側には葉っぱが積んである。


「少し道具を出して良いですかね!」

「危ないもので無いなら、ゆっくりとお出し下さい」

騎士さんは、俺に向けて剣を抜いてくる。


「では出しますよ、ゆっくりと出しますので切らないで下さい」

俺は簡易トイレの座る部分の便座だけを出す。


「はいこれをこの上に置いて座って用をします、扉を閉めても良いですか?」

「鍵は閉めるなよ、閉める音がしたらすぐに扉を叩き壊すぞ!」


首輪を外す時に音がするかも知れない、音姫を使おうと思ったがダメかな。


「騎士さん、もお2つ出しますけど良いですか?」

「ゆっくりだゆっくりと出してくれ」


俺はトイレットペーパーと音姫を出して見せる。


「なんだその白い物は?」

やっぱりトイレットペーパーて地底に無いの?


「これは、大きい方をした時に拭く物ですよ、この葉っぱの代わりです。そしてこっちは用をする時に音を消す道具です」


トイレットペーパーを少し広げて、音姫を鳴らす。


「納得してくれましたか?」


驚いた表情の騎士さん。

「凄いな分かったからそれは使ってよし、ただ鍵を確認出来ないから扉は開けておいてくれ、見えない所で君を監視しているからな」


俺は扉を開けながら、音姫を鳴らして便座に座った。









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