第107話 ダンジョン脱出!

少しして、ダンジョンの先の壁が見える、俺は電車を止めて二人に聞く。


「なああの壁は、壊せるのか真ん中の壁みたいに?」

「壊す?普通に通れるぞ、地上に出られる」

「そうそう」


「出た事あるのか?」

「たまにな、ただ石がお前が言うには魔石か、あれが無いと活動がしにくくなる、まあ魔石を持つていれば活動は可能だな」

俺はゾンビの白い石を見せる。


「これでどの位活動出来る?」

二人は手に取り考える。


「30日位かな、こちらの時間の流れはわからないけど」

「そうだねお姉ちゃん、あの明るい所にスライムの石で何日かいられたね」


スライムよりもゾンビの方がかなり上なんだな、なら袋に十個ほど渡してみるか。


「俺はこの袋に魔石を十個入れておく、もし使い切りそうなら早めに言ってくれよ」


二人に渡して再度電車を走らせる、もう直ぐ壁だ!粉々に成りません様に。


壁にぶつかる事なく通り過ぎる電車、外はまだ薄暗い時計を見たら四時だった、電波は確実に繋がっている。


「此処はダンジョンを出た所だ、君達は少し彼処に戻れるか調べてくれ」

黒の小学生が壁に向かって走っていくが壁に吸い込まれる。

少しして出て来た。


「大丈夫だね、元の所に帰れる」

俺たちなら元の所に帰れないのにね」


「さっきからお主の胸あたりで音がしている、なんの音だ?」

「五月蝿いよねお姉ちゃん」

俺は携帯を見せる。


「これは電話と言って遠くの人とも話せるんだよ」

「我らが知り合いと話すのに似ているね」

「あゝ今は注文を受けたくないけどね」

二人で頷いている、ごめんよ〜バッファロー全滅させてね。


さて問題です、小学生(羽の生えてるコスプレーヤー)を連れ歩く中学生は警察の職質に合うでしょうか! 答え確実に会いますね(by俺の良心)


「二人に聞くけど、大きくなれるなら小さくもなれるのかな?」

「小さくは、なれるぞ簡単だ手を出せ」

羽ばたいて俺の手に足を乗せた瞬間に小指位の大きさになる。

「どうじゃ、この位で!」

「これなら魔石もあんまり使わなくなるかもね」


うわー喋るミニチュアだよ、このまま飾っておきたいけど、胸ポケットの携帯を取り出して二人に入ってもらう。


「どう此処でならみんなに分からないから、俺の家に行けるよ来るかい?」


二人は目を見合わす、少しして俺を見上げて言う。


「不束者ですが末永くご一緒にいましょうね」

「旦那様の死に水は私が最後に受け取ります、恐らくは私達のが長生きするでしょうからね」


「もう折角の良い時なのに、死ぬ事を言ってどおするのよ!」

「だって地上人より、私達のが長生きだもん!」


「因みに何年生きているの?」

俺の素朴な質問に二人は答えてくる。


「「二百年」」

「ただ地上人との時間の流れが分からないけどね」

「そうそう、地上人を奴隷にしないと時計と言う物が手に入らないのよ!

旦那様は持っています?」


「この画面の数字がそうだよ、数字って解る?」

俺は携帯の画面を見せる。


「馬鹿にしてるの!学校出てます、この数字ぐらいは読めますよ」

「本当に、対して長生き出来ないくせに偉ぶって!」

「本当なら私達の奴隷の癖に、旦那様の地位を上げただけなのに!」

二人は何故か怒っている。


「まあまあ今度勝ってから言いなさいよ、それと旦那では無く友達だからな!」


よく言い聞かせ、線路の端の梯子を登って外に出る、二日ぶりの地上だ!


タクシーを捕まえて自宅へと帰った。








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