第130話 ハリセンは強!

睨み合う双方だが、千様は笑っている。


「我らを殺すとな、ならば方法を変えようかね、こちらが打つ魔法を避けたなら此処から解放しようどうだ!」

千様の言葉に黒と白は考えていると、カオリさんが提案して来る。


「では背後にいた3人に一撃を加えたら部屋を貰いますね、それでどうですか偉い人」


カオリさんの提案に、黒と白は驚いている、俺も同じく!


「ちょっとカオリちゃんだっけ、そんな事を出来るの?」

「そうよ魔法が、飛んで来るのよ!」

黒と白は、カオリさんの方を見て質問している。


「千様でしたっけ、お供の3人と私1人でどうですか、私が3人に一撃を入れたらこちらの勝ち、私にどなたかでも魔法を当てたら、貴女達の勝ちでいいですよ!」

何処からその自信が来るんだよ、カオリさん!


「ならば、私は横にずれる、その方らもその娘を残して横にずれよ」

千様と黒白俺は、横にずれる。


「ええとこのバットだと殺してしまうので、ダーリンハリセンを貸してください。

あれなら殺傷しませんでしょう」

俺はアイテムBOXから出した、ハリセンをカオリさんに渡す。


バンバンと、自分の手を叩いて音を確認している。


「ほら叩くと音で分かるから、体に触れたら私の勝ちですからね!」


1VS3の戦いが始まる、ただ直ぐに決着は付く。


「なら双方いいな、スタート」

千様の言葉で、3人が呪文を唱え始めた瞬間、カオリさんが飛び込み相手にハリセンを当てる。


バンバンバン綺麗なハリセンの音が鳴る、そして詠唱が止まる。

3人はうずくまり頭を抱えている。


「痛い痛い」

「痛い」

「何でよ痛い」

3人は痛いと騒いでいるけど、ハリセンだよね?


「痛い訳あるはず無いわよ!音でビックリしただけでしょう。

ただこの勝負は私の勝ちね!部屋ゲットよダーリン見ていた」


確かに見ていたよ、俺が逃げても直ぐ捕まる未来がね。

隣の黒と白は喜んでいる。


「千様私達の勝ちですね」

「部屋を分けて下さいよ」


黒と白よ喜んでいるけど、その千様は少し怒ってないか?


「その方ら何故負ける、たかが平民の小娘に」

千様が俺達の方を向く。


「己らやはり謀反を起こす気だな、その前に止めてやるファイヤー」

火の玉が俺達に打たれる、咄嗟に俺は盾を出す。


「盾、みんな俺の背後に集まれ、カオリさんも来てくれ!」

2発3発と火の玉が俺達の方に放たれる。


「黒白反撃して良いのか?」

「殺さなければ」

「殺すと後々面倒だよ」


「ならば、お前達目をつぶれ『ライト』」

まばゆい光が発光する、こちらを見ていた敵方4人は光に目をやられる。


「何」

「眩しい」

「「…」」

火の玉が止まり、4人がしゃがんでいる。


「どうにか止まったな、黒と白どうする?」


「どうするって、反撃して勝ったんだからこちらの勝ちよね」

「50年前の事もこれで、無くなるのかな!」

白が、千様の前に行く。


「千様、勝手に戦いに介入して負けたならば、ルール違反で奴隷になりますよね私達の!

ただこれ以上介入しないならば、50年前の事を無い事にしてもらって、奴隷にはしませんよ」


白は千様に言うが、彼女はまだ目を押さえている。

今度は黒が千様に近づく、黒は千様の顔を押さえて言い放つ。


「此処で50年前の事を無い事にして許してやると言っているんだ!このまま殺して木の元に返す事も出来るが王族が近くにいるから、これ以上は我らは何もしない!

ただ文章で書いてはもらうぞ!」


黒と白と千様の間に、50年前に何があったか知らないが、解決できたならよしとしよう!

後は此処に泊まって、明日から冒険だ!やったー!


「その方らは誰! 何故古代の王族しか出来ないと言われる魔法を出せるの!」


喜んだのも束の間、声のする方には、又もドレスの少女と甲冑騎士が並んでいる。












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