第24話 とりあえずはレシートをもらう!
朝から怠い体、昨日の事が精神的に来ている様だ。
「ほらあんた起きなよ、朝食よ」
姉が起こしに来る、でも眠い。
「探し物見つからなくて、落ち込んでいるかも知れないけど、ご飯食べなよ元気出るぞ」
探し物は見つかったけど逃げたんだ!邪魔されて。
「仕方ない、起きろよ下に朝食あるからな」
姉が階段を降りる音が聞こえる。
仕方ないけど起きよう、学校は行かないとな。
着替えて下に行く。
お母さんは仕事でいない。
「ほらパン、飲み物は好きなの入れろ、私も出るから二人とも戸締りをちゃんとして学校いけよ」
「行ってらっしゃい」
「頑張ってね」
姉は出て行く。
「俺たちも出るか」
「ウィ」
二人で玄関を出て学校に行く。
「お兄ちゃん昨日は遅かったけど、何か有ったの?」
「何も無いよ、ただ夢中になっただけだ」
「探し物に夢中って? そんなに大切な物だったんだ」
「うーんそうだよな2度と見つからない物だよ」
「なら今日も放課後探しに行くの?」
「いや諦めたよ、疲れたからね」
「なら放課後は、何処かに行こうお兄ちゃんの奢りでね」
「今日は駄目だ、明日ならいいぞ」
「なら明日ね、あゝミクちゃんとスミレちゃんだ! お兄ちゃんバイバイ」
妹は俺から離れて同級生の方に行く。
さて憂鬱な一日が始まる、特に放課後はダンジョンに行かなければならない。
なんやかやと友達に心配されるが、笑顔の対応をしていると女子からキモいと言われる。
そして放課後、ショッピングモール跡のダンジョンのテントに向かう。
家に戻るのも面倒なので徒歩でダンジョンに向かう。
テントの中は相変わらず暇そうだ! 俺を見つけた安達さんが手を振って気付いた俺に手招きしている。
「こんにちは、昨日は迷惑をかけてすいませんでした」
安達さんは俺に頭を下げてくる。
「いえそれで昨日の金塊はどの位ありました?」
後ろからレシートが入ったトレーが渡される。
「ご確認下さい」
俺はレシートを見る、なんだこの金額はそれに税金が引かれていない?
「安達さん、税金が引かれてませんがどうしてですか?」
「それについてはチーフが戻り次第にご説明しますが、連絡先は携帯電話の方でよろしいですか?」
「かまいませんが、何かあるんですか?」
「あまり大きい声では言えませんが、昨日の事の賠償の一部だと思って下さい」
俺はそうなんだと思ってレシートを鞄に押し込むと席を立つ。
「今日は潜りますか?」
安達さんの言葉に、手を振っておく。
「後で預金通帳を見ておこう」
俺は帰宅する。
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「どう、納得して帰った?」
「先輩ずるいです、私に責任押し付けて!」
安達さんに話しかけて来たのは居ないはずのチーフさん。
「仕方ないでしょう、こんなに疲れた顔なんだから!」
「逆ギレ逆ギレですか先輩、なら私だって怒りますよ!」
睨み合う二人、周りは引いている。
「フー私達でやり合っても解決しないから終わり、兎に角明日また支部に行くから一日代理お願いね」
「ダンジョン長に言えば良いんですよ!」
「彼も一緒に行くのよ、彼だって相当怒っているわよ」
「へー珍しいですね、ダンジョン長が怒るなんて?」
「私と同じ、出世を邪魔されたと思っているわよ」
「同じ穴のムジナか」
「誰がムジナよ、私は可愛いうさぎちゃん」
「先輩、歳考えて、鏡見ますクマ凄いですよ、ムジナじゃ無くクマか?」
ボソッと言った最後の言葉に反応するチーフさん。
「貴様、ボーナスカットだ!」
「それパワハラです」
今日もダンジョンは平和だ。
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