第61話 アイツが現れた。

翌日からは、放課後にダンジョンでゾンビを倒して白の魔石を集める。


学校から帰ると、ちょうどゾンビ湧きの時間と重なり効率がいい、

もう3時間待つと、翌日が寝不足になるので、最終手段のダンジョン庁に集めてもらう様になる。


「サダ様、これくらいで足りますか?」

俺はテントで安達さんと話している。

今回仕入れるのは白の魔石一万個とゴールド魔石二十五個だ。


「ええ、ゴールドスライムをさすがに二十五匹は出ないでしようからね。

それでお願いします」

俺は注文して屋上に上がる、何時もの準備をして、3階に突入する。


ゾンビはまだ湧かない様なので野良のゾンビを倒して行く。

そして少しすると、ドアが開く音がする。


「さて少し隠れて散るまで様子を見よう」

そうと思って隠れるが何故か声が聞こえる。


「わー臭い、寄るな、あっちいけ、噛むな痛い」


なんか聞いたことがある女の人の声だな、俺は声の方に近づいて行く。


100匹のゾンビに囲まれる女の人、流石に3階に消毒液を持たないのは無謀だろうと思い、仕方なしに助け出して下に行く。


「大丈夫ですか、流石にゾンビには消毒液を持たないと戦えませんよ、素手ならば此処の二階でスライムを倒さないと!」

俺は助けた女の人に声をかけて顔を見る、あれ何処かで見た顔!


「あれ〜柳生先生まさか先生だったんですか?」

「うぅ臭い、吐きそう、サダ助けてくれ」

仕方ないので、消臭スプレーを先生に蒔いてあげる、少しは緩和するだろう。


「助けていただいてありがとう、て!言うと思うか!お前のせいで私は教師を首になったんだ! 責任を取れ!」


そんなのあんたの行いが悪かったんだろう、俺のせいでは無いはず!


「先生落ち着いて下さい、ゾンビに襲われてパニクっているんです。

下まで送りますから帰った方が良いですよ」

先生を無理やり引きずって行き、下に降りてテントに送って行く。


「安達さん、タクシー呼んでもらえますか? この女性を送ってあげて下さいね! ゾンビに襲われてパニクってますから」

無理やり、安達さんに先生を預ける。


すると安達さんは、ガン見して先生を罵倒し始める。

「貴女またサダ様の邪魔をしたの? 教師はどうしたのよ! 大体この間の事も根に持っているんだからね! サダ様の邪魔をしないで早く家に帰りなさい!」

(家無い、出された)ボソッと何か言っている。


「何〜何を言ってるの!貴女はいつもそうよ迷惑ばかりかけるから、お父さんも見限ったのね、家を出されるなんてね、言い様よ」

安達さん、職員さんみんな見てますよ、ほら八木さんが出てきた。


「何を騒いでいるの安達さん、サダ様こんにちは、それでその方は誰かしら?」

八木さんは先生の顔を覗く、そして先生に気づき言い始める。


「貴女は何しに来たの! サダ様の邪魔するなら帰りなさい! 直ぐ帰って!」

そして八木さんは外に向かって指を指す、ビシッと。


「何で貴女達はコイツをサダ様サダ様て言うの、単なる中坊じゃ無いのよ!」


「だからあんたは、皆んなに嫌われるのよ、皆んな自分より下と思っているから誰も近付かなくなるんでしょう!」


なんか安達さん、先生の事を良く知っていそうなんだけど?

「安達さん先生との事は、なんで知っているんですか?」

俺は安達さんに質問すると回答はこうだ。


「コイツ、コイツはね昔からの同級生なの! 幼稚園から一緒に過ごしていたからよく知っているのよ、全くね!ほら何処でも良いから帰りなさい」


安達さんは引きずり出そうとするが、逆に足に縋りつかれる。


「ユーメー泊めてお願い、お願いよ」

「無理無理、私は羊じゃ無いしね、ユーメーて羊の鳴き声かってんの!」


「でも邪魔ねサダ様にも迷惑だし、なら安達さん、彼女と共に帰って良し、早退を認めます。サダ様も今日はゴールドスライムの討伐はしないと思いますのでね!」


少しして安達さんと先生は帰って行く。


「サダ様、安達さんに説得を任せました、今日はもう大丈夫ですから安心して下さい」


八木さんは奥に帰って行く、俺も帰ろう今日はやる気が無くなった⤵︎。













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