第62話 秘密を!
そして翌日は、朝から学校行って家に一旦戻ってからダンジョンに行く。
駐輪場に自転車を止めてテントに行く。
中で一応買取表を見てから屋上に行こうと思った瞬間、テントの中の机の向こうに何故かアイツがいる。
「何でアンタがそこにいるんだよ!」
指を指した先にいたのはアイツ、俺の元担任柳生先生だ!
「何でアンタって酷い言い方ね、私は此処の職員になったのよ拝みなさい!」
偉そうに名前の付いた職員バッチを俺に見せる、でも若葉マークが付いている。
「新人マーク付きじゃんか、偉くなるならそれを外してから言って下さいね!」
「このーアンタだってまだまだ新人さんでしょう!」
「俺はすでに討伐金額を突破して、若葉マークのチョッキは脱いだよ先生!」
二人で睨んでいると、後ろから安達さんが近づき頭を殴る、コン。
「痛い何するのよ」
元先生は後ろを振り向く。
「アンタ昨日教えたでしょう、お客様には誠心誠意感謝の気持ちを持って丁重に対応しなさいって、やっぱり裏で魔石を磨いてなさい!
サダ様失礼しました、本日も頑張ってください。
ほら裏で魔石を磨きなさい、受付何て十年早いわよ」
安達さんに奥に行く様に、引きずられる先生が言う。
「何でアンタ達はコイツに甘いのよ、高々中坊の初心冒険者じゃ無いのよ」
その言葉に安達さんは怒りながら先生を睨む。
「もう首になりたいの、一日持たないなんて新記録ね!」
首と言う言葉にビクッとして、何故か安達さんに頭を下げる先生。
「すいません、首だけは勘弁して下さい、屋根のある部屋で寝たいです」
縋り付く先生を足蹴にする安達さん、もっとやってくれ!
「なら俺は行きますね、それでまた!」
俺は手を降り屋上へ上がる。
いつも通りに消臭スプレーを体全体にかけて下に降りる、三階でゾンビ討伐だ。
のんびりと消毒液をスプレー機で蒔いてゾンビを退治する。
恐らくは酷い臭いがしてるだろーが、俺は苦にならない。
最初は鼻が花粉症で詰まってただろうけど、この頃は臭いもそうだけど帰っても皆んなに消臭スプレーを撒かれることが無い、薄々は感じていたけどあの時の覚醒で確定した。
「この称号が、臭いを感じない体質の元なんだな!」
俺はステータス画面を見る、下の方、持ち物の間に表記がある。
[ゾンビスレイヤー](臭い耐性・臭いを無効化する)
恐らくはこの称号が、俺を悪臭から守ってくれているんだろー。
そしてもお一つの称号もある。
[スライムを統べる者](各種スライム族を引き寄せる)
この称号がいつ出て来たか分からないが、あのスライムラッシュの日曜日には、持っていた称号だろう!
そして、少し白い魔石を巻いてみる。
俺が居てもスライムは寄ってくる、そしてよく観察すると魔石の色の識別が出来る様になった。
「これは赤、おと白が有るコイツは討伐」
しばらくして魔石がなくなったので、また撒いてみるスライムの白の魔石もまぜて!
少ししてスライム達が来たが、色が違う奴は来ないかな?
最後にスライムの白い石は残る、ならまた撒こう。
集まるスライム、ちょっと変わった魔石が見える。
「あれコイツ金色の魔石を持っているぞ!討伐」
パーン、スライムが潰れて金塊が現れる。
「金塊出た! 何故?」
とりあえず、ポーチに入れてしまって置く、その間白のスライム魔石は残る。
やはりスライムと言えども共食いはしないんだな、白スライムは百円だったっけな。
そして俺は下に行く、元先生が睨んでいたのでそのままテントに寄らずに家に帰る。
今日は少し色んなことがあったが、報告すると支部に連れて行かれるので、当分は報告しない!もうすぐゴールデンウイークが始まる。
おやすみ!
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「ネエネエサダ様が、来なかった?」
「もう帰ったわよ、こっち見て駐輪場に走って行ったは!」
「貴女まさか、追い返したの?」
「しませんよ、勝手に帰りました」
「そう、まああれ持ってれば、当分来ないかな」
「何々ユーメー、何を秘密にしてるの教えて!」
「貴女には無理よ、素直に最後まで此処にいなさい!」
「はーい」(くそ〜、絶対アイツの秘密を暴いてやる)
安達さんと元先生の会話でした。
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