第167話 王妃様貴女もかい!

夜の食事会、王族と一族代表達が揃いテーブルに座る。


「美味しそうねこのスープ、副料理長聞くが何か方法を変えたの?」

王妃様が聞いてくる。


「はい少しやり方を変えました、ご賞味下さい」


副料理長が説明すると、まず王妃様がスプーンで掬い、一口口を付ける。

「………美味しい」

一言言って、無心にスープを飲み干す。


「お代わりです、そして皆の者はそれ一杯でやめて置いてね、残りは明日私の朝食に出す様にね、副料理長!」

副料理長は恐縮して、背後に下がる。


他の人もスープを飲んで、美味しいの連呼!


「お母様、私達にもお代わりを下さい」

「そうです王妃様、お代わりを所望します」

「私もお願いします」

「僕にも下さい」

王族はお代わりを要求するが、き族達は我慢している。


「それは無理よ、こんな貴重な物をお代わりなんて、最終日まで持たせないとね」

王妃様は討伐最終日まで、スープを残したい模様。


「お母様、これは第3王女の第1側妃が作っていた物です、なら改めて作って貰えば良いのでは無いですか!」

第1王妃様は途中まで厨房に居た、スープを作って居たのは、カオリさんだと知っている。


「これを作っていたのは、副料理長では無くてあの女の子なの!

ならば確認しますから、副料理長とあの子を此処に連れて来なさい」

メイド副総長が慌てて、厨房に走り出した。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「カオリさん美味しいね、パンとも合うよ最高!」

「よかったダーリンに褒められて、ならお代わりを盛るわね」

俺達は厨房で夕飯を食べている。


スープはカオリさんが作った物、パンは食パンにバターを塗ったトースト。


「このパンも柔らかいです」

「本当に、どうしてこんなに柔らかいのか?」

「もっと早く食べたかったねお姉様」

3人には高評価。


そして厨房のパン職人は、このパンを食べて泣いている。

「世の中に柔らかいパンはあったのか!」

地上でレンガみたいな、硬いパンを作る方が、今の所は難しいと思うよ!


そして副料理長が、厨房に戻ってくる。


「皆様、あのスープは王妃様に高評価を頂き、お代わりを所望されました。

これからスープのお代わりをお持ちしますが、大丈夫でしょうか?」

まだ鍋に3つはあるから、問題ないとおもう。


「ただ鍋に3つだから全員分はないので、気をつけてお代わりを出して下さいね」

カオリさんが言うと、嬉しそうに副総長は鍋を持っていく、食事会の事を知らずに。


「さて腹も一杯になったし、部屋に戻る?」

「そうね、片付けは此処の料理人達がしてくれそうだしね」

「はい従います」

「私も帰る」

「同意します」

皆んな部屋に帰る事になるが、メイド副総長が厨房にやって来た。


「み、皆様おまちを、特に貴女の事を王妃様が呼んでいます、食堂に来るようにとの事です」


カオリさんが指を指される。


スープ一杯で、面倒ごとの予感がする。

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