第17話 初めての1日狩
土曜日の夕方に定期券を買って、ダンジョンに潜った。
みんなに奢った分と定期代は回収出来た。
今日は日曜日、朝からダンジョンに行けるぞ!それも早くからだ。
「朝食はいらない、あまり食べたく無いんだ」
「食べてから行きなさい、途中で倒れたらどおするの?一日の始まりなのよ、若者が食べなくてどおするの!」
俺が朝食を食べないと言うと、母が小言を言ってくる。
「ゾンビを見て戻したく無いから、飲み物と飴かチョコを食べるから大丈夫だよ」
あの買った定期券、1日何度も出入り出来るから下で食事してまた屋上から入ることが出来る。
「朝はスープだけで出発するから」
姉も妹も寝ている、邪魔が居ないうちに出発だ。
自転車で何時もの下の駐輪場に着く。
早いのか、みんな準備中みたいだ。
魔石の交換表を見ていると声がかけられる。
「えぇとサダ様、その表は昨日のでして、十時に書き直しになります」
何時もの受付のお姉さん(少し年配の方)
「早く来すぎましたか?」
「いえ土日は六時から二十四時までです、平日は十時から二十二時ですから」
「土日は長く潜れるんですね、それと昨日はゴールドスライム出てませんね」
「えぇ、ここ二・三日出てませんので、かなり成長してると思います。
おそらくは情報がネット等に出てますので、今日はかなり混みますね」
「情報ありがとうございます、では上から入ってきます」
「起きおつけて」ぺこり。
受付のお姉さんと会話して屋上に来る。
「いい情報だった、こおして受付嬢の方と話せば良い情報がもらえるんだろーな」
カードを機械に付けるとゲートが開く、定期券はカードに組み込まれているので便利だ。
何時も通りにエスカレーターで下に行く、目の前にはまさかのゴールドスライムが通っている。
俺の両手は消毒液のスプレー、思わず投げてしまった、パーンと弾かれるゴールドスライム。
残った物は、ゴールドの魔石の様な金塊、でもかなり小さい。
拾い上げる俺は手の中をよく見る、刻印があり999.9やった純金だ。
何故刻印があるかは考えない、ここで言えるのは軽いの一言。
ひとまず下のテントに行く。
「すいませんよろしいですか?」
何時もの受付のお姉さんに声をかける。
「何か忘れ物ですか?それとも質問ですか?」
俺はそっとスライムの魔石を出す。
「これはもしかしてもう出たんですか?」
「えぇ、屋上からエスカレーターで降りたら下にいました」
お姉さんは後ろを向いて、他の係員に言う。
「これ調べて、場所は屋上エレベーターを降りた地点、時間は少し前チェック」
どおしたんだろう、緊張感が走っている。
「あのー大変な事なんですか?」
「いえいえ、ここ何日か出て無くて最初の物が大きくてビックリしてるのです、すぐ確認しますのでお待ちください」
しばらくして、明細の入ったトレーがやってくる。
「お待たせしました、100g以上ですので恒例の万歳三唱します、
職員集合」
お姉さんの号令で、職員さんが集まってくる。
「では行きます、万歳万歳万歳、おめでとうございますサダ様、
では明細をご確認ください」
俺は恐る恐る明細を見る、流石に金は高額だ。
「百六十万円、確認しました、預金に入れてください」
200gで税金二割引いて百六十万円!頭の上でファンファーレが鳴り響いている。
「では預金に入れておきます、また潜ります?」
「はい、もお一度行ってきます」
「では気おつけて行って下さい」
長い一日が始まった、俺はまた上から入って行く!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます