第42話 どえらい事は拒否!
話が終わって、帰れるかと思ったが追加の話が振られて来た。
「サダ様、昨日の報告をお願いします」
八木さんにまた指名される、やはり帰れない。
「そうだな、もう一つの方だな」
支部長も席に座る。
「昨日は夜にダンジョンに入って、先程と同じ方法でゴールドスライムを退治しましたよ」
またアッサリと言う。
「サダ様もっと詳しくお願いします」
八木さんに言われてまた補足する。
「まず三階でゾンビを狩って魔石にしてから、前回のゴールドスライムの出現方法を再現して、白い魔石を一箇所に集めて三時間後に、ゴールドスライムが一匹現れたので退治しました。
ただ床に現れたのは二個の金塊です、大きさも違いました」
ガタン、また支部長が立ち上がる。
「待て待て、一匹で二個の金塊が出て来たのか?」
「はい出ました!」
「支部長、モニターを確認しましたが、一匹しか確認出来ませんでした」
他の職員さんが発言する。
「八木君、本当か?」
支部長の問いに八木さんが答える。
「私もすぐ出社してモニターを確認しました、確かに一匹の映像しか有りません」
支部長は考えて笑い出す。
「ハハハ、これこそは世界で唯一の例だろう、確かに今までの事も世界で最初の発見かもしれないが、これは検証出来ない唯一の例だろうみんな!」
一人だけテンション上がってませんか支部長さん。
「確かにこれは、どんな偶然があっても検証はできませんよね、やはり世界で唯一の例です」
八木さんも立ち上がって相槌を打っている、周りのみんなも頷いている
「よしサダ君には是非とも発表の場に顔を出してもらおう、そして埼玉支部を世界的に発信しよう」
「そうです、我らのショッピングモールダンジョンを世界の遺産にして観光名所にしましょう、サダ様手伝って下さい!」
支部長と八木さんが、俺に握手を求めてくる。
もし二人の手を握ったら、俺の自由は無くなるよね、ならば。
「御免なさい」
俺は深々と頭を下げる、90°に腰を折って!
一瞬の静寂。
「えぇと、どうしましたサダ様?」
「そうだぞサダ君、一緒にだな」
「二人の気持ちは分かりますが、手を取る事は出来ません、俺には荷が重すぎます」
俺はまだ中学三年、世界遺産も観光名所も何も分から無い、ただダンジョンで色々やりたいだけなんだ〜。
その後は色々と合ったが。解放された。
そして帰りの車で送って貰ったが、八木さんは、一生懸命俺を説得してくる。
自宅の前で車から降り、皆さんと別れる。
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「先輩焦りすぎでは!」
「やっぱりそう思ったか、ならサダ様にもマイナスだったわね」
「はい支部長共々反省した方が良いですよ、せっかく現れたのに、また休んでしまいますよ」
「フー、金の鶏を育てるのはやはり大変ね、明日謝りに行こう」
「そうですそうです、少し落ち着きましょうみなさん」
車はショッピングモールダンジョンに走っていく。
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