第103話 隣に押し込まれた!

そして三十分ほど待っていたら、色々なサイレンと共に消防のレスキュー隊が、壁を降りて来る、その数五人。


「ええとサダさんと中立さんでよろしいですか?」

「「はい」」


「ではこれより、順番にお二人を上に上げていきます、では中立さんこちらに」

中立さんは、防具にレスキューの道具をつけて上に駆け上がる。


「サダ様、この方は消防士さんです、抱きついても浮気ではありませんよ」

そんな事を言いながら、無事に上に上がって手を振っている。


さて俺の番だと思ったら、何かの足音が聞こえて来る。

俺達が出て来た穴からバファローの集団が走り込んで来る。

「盾」

盾を展開するが押されてる。


「レスキューさん上に逃げて下さい、盾も長く持ちません早く上がって!」

「でも君はどおするんだ?」


「兎に角逃げて、後でどうにでもなります」

バファローの後ろを見ると途切れる様子がない、貫通撃っても全部倒せるか分からないもしMPが切れたなら踏まれて、潰れて死ねだけ。


「早く上がれ、馬鹿やろー死にたいのか!」

俺は怒鳴ってレスキューさん達に言う、大人達を怒って良いものなのだろうか?


[しかし君」

「隊長上がりましょう」

隊員が自動昇降装置で上がって行く、隊長は最後まで居たが諦めて上がってくれた。


「よし貫通、盾」

俺は後を向いて、先の穴に向かって走っていく。

上からカオリさんの声が聞こえる。


「あなた待ってるわよ、お腹の子供を父無し子にしないで〜」


しないで〜、ではないよ!元々何もしてないぞ。


穴の先、黒い空間に飛び込む、先には電車が止まっていた。

開いた車掌室のドアから中に飛び込み、ドアを閉める。


バファローは両サイドを通り抜けて消えていった。 


あの一瞬のトンネルが無くなる空間も、ダンジョンの一部なんだな!あそこからはあの蛇なら出られそうだけど、やはり何かのバリアーで外に出られないんだ。


入った俺はまた冒険を始めないといけないんだな。

ステータスを見るとMPがだいぶ減っている、疲れたな電車で大蛇倒したけど、電車に電気供給をずっとだったからな、少し寝るか。


何時間寝ただろう、携帯を見ると十五時だ、早起きだったから寝過ぎた様だ。

またアイテムBOXから、菓子パンと紅茶のペットボトルを出して遅い昼食。


「このままバックであの壁にぶつかるたら、さっきの所に戻れるだろうか」

MPも戻ったし俺は先頭に行く、そしてバックで少しずつ壁に向かっていく。


ガーン、金属音が鳴り電車が止まる、やはり秋葉原と同じで入った所は出れないんだな、なら進むしかない。


そして少しずつ電車を進ませる、この位のスピードならMPもあまり減って行かない。


先に行くとバファローが線路を塞いでいる、ここはインドかよ!

アイツらとは、やはり戦う運命なんだな。


俺は運転席から、降りてバファロー達と対峙する、全バファローが立ち上がり俺を見て来る。


「赤い布無いかな、闘牛みたいに布で舞いたいな」

流石にアイテムBOXには赤い布は無かった、俺は少し後退して両手を出す。


牛が歩きながら段々と加速して来る、俺は貫通を発動魔法の指輪分を発射する。


結構な粉塵が上がり、完全な暗闇になるトンネル。


しばらくして、ライトをつけると牛が倒れていて、魔石も転がっている。


「さっきみたいな狸寝入りのバファローはいるのかな?」

俺はバットの先で死体を突っつき、一つづつアイテムBOXに入れていく。


本体120魔石は七十個だった。

俺は電車にまた戻り、長椅子の上で毛布を掛けて寝る事にする。


「本当に今日は疲れた」


目を閉じた瞬間、俺は慌てて又起きる。


「あれ〜確か今日はゴールデンウィーク最終日、明日学校じゃん冒険者でダンジョン潜って、義務教育サボるとペナルティで、1週間ダンジョン入れないんだっけ!不味いぞ」


俺は現実に引き戻される、脱出を考えないといけない。














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